
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
三平和司、31歳。ベテランと呼ばれる年齢になったが、歳を重ねるごとにサッカーの奥深さを知り、成長する喜びを感じている。ストライカーからアタッカー、そしてチャンスメーカーとプレースタイルを変え、自分の居場所を見つけた“昭和”生まれのオールラウンダーが今季初出場に向け、万全の準備を整える。
神奈川大3年時から特別指定選手として湘南ベルマーレでプレー。将来を嘱望されたストライカーは、2010年に湘南でプロキャリアをスタートしたが、出場機会を得られず11年に大分トリニータに期限付き移籍。これがひとつ目の転機となる。「どのポジションでもいい。試合に出たい」とサイドへのコンバートを快く引き受け、スピードと跳躍力を武器にアタッカーとしての才能を発揮しながら、得点力も向上した。セットプレーの得点源となり、逆サイドからのクロスに飛び込む得点パターンを確立し、12年には2列目の選手ながら14得点を挙げ、J1昇格の立役者となった。
ふたつ目の転機となったのが、13年から2年間、京都サンガでの経験だ。これまでは身体能力を武器にプレーしてきた三平が、パスの受け手から配る側に回った。「ボールを持つ時間も回数も増え、試合を組み立てる楽しさ、パスで(相手の守備を)崩す快感を得た」と言う。
15年に大分に復帰してからは、前線の基点となり、試合を作り、決定機を演出し、自ら得点も奪うオールラウンダーとして立ち振る舞っている。「いろんな監督の下で、いろんなスタイルのサッカーを経験した。頭を使ってプレーすることを覚えて、サッカーが楽しくなった」と語る。
「年々サッカーが楽しくなる」と語る三平和司
今季は開幕直前のけがや病気で出遅れたが、前節の広島戦で今季初めてベンチ入り。出場こそなかったが、今週の紅白戦では主力組でプレーし、存在感を示している。「J1の選手はプレッシャーの勢いがJ2に比べて全く違う。でも、このプレッシャーを一つ外せばチャンスになる。相手の嫌がるポジションでパスを受ければ得点できる」と得点までのイメージを膨らませている。「準備はできている。やってやろうという思いは強い」。にじみ出る試合への飢えによって研ぎ澄まされ、心身共に充実しているのが分かる。
平成が終わり、新たに「令和」の時代が始まる。「これまでと何も変わらない。誰よりもサッカーを楽しんで、チームが勝つために最善の選択をして、最高のプレーをする。それが得点であってもアシストであっても構わない」。ポジションやプレースタイルが変わっても、サッカーに取り組む姿勢、楽しむことは変わらないのだろう。
今季初出場に向け準備は万全
(柚野真也)
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