
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
・前3人でリードする
・冷静沈着に勝負に挑む
・チームプレーに徹する
1月20日に行われた全国高校剣道選抜大会県予選(全国選抜県予選)で女子団体戦を制した杵築。22年ぶり2度目の優勝で全国選抜(3月26~28日、愛知県)への切符をつかんだ。昨年11月の県高校新人大会で優勝して進んだ2月の九州大会では予選リーグで八代白百合学園(熊本)に惜敗。全国選抜ではその雪辱を誓う。
チームを率いるのは杵築高校剣道部のOBである堀郁郎監督。赴任して5年目で、女子を初の全国大会に導いた。新チームは2年生2人、1年生5人の少人数ながら抜群のチームワークで快進撃を見せている。突出した力のある選手はいないが粒ぞろい。主将の宮部葵(2年)を中心に良くまとまっている。
必勝パターンは先行逃げ切り。先鋒、次鋒、中堅の「3人でリードし、しのぎ勝ちたい」と作戦を練る堀監督。そのためにも、「選手たちには気持ちを引き締め冷静沈着に、かつ淡白な試合にならないよう心掛けてほしい」と話す。チーム全員で勝つための執念をどれだけ持てるか、 技術以上に気持ちが試合を左右しそうだ。極度の集中力が求められる剣道というスポーツ。勝負は一瞬で決まる。
堀監督は、明るく、そして負けん気が強い選手たちに程よい緊張感を与えながら、こう抱負を語る。「大分県の代表としての責任と覚悟を持って、全国に挑みたい。応援してくれる方々の期待に応えられるよう、謙虚に上を目指したい」
全国選抜大会に向けてチームの雰囲気は上々
宮部葵(2年)
2001年10月20日生まれ、160cm、別府朝日中学校出身
小学校から始めた剣道。きつくてやめたいと思った時期もあったが、「勝つことが楽しさを教えてくれた」と当時を振り返る。勝利を追い求め、中学、高校でも剣道一筋。得意技は面。キャプテンとして、大将として臨んだ全国選抜県予選では優勝の原動力となった。
「プレッシャーに弱くて、試合ではなかなか実力が出せない」と悩んでいたが、全国選抜県予選では「仲間の応援に後押しされ力を発揮できた」と笑顔を見せる。キャプテンとして、仲間には「自分のためだけじゃなく、チームとして勝つぞという気持ちを忘れずに」と常々伝えているという。堀監督も「宮部はよく声を掛けている。集団で戦うという意識が高い」と信頼を置く。
「目の前の相手を一戦一戦倒して、戦う」と決意表明。「どこのチームよりも仲がいい」と自負する。そのチーム力を武器に、初の全国で旋風を巻き起こしてほしい。そして、夏の県高校総体では男女でのアベック優勝にも期待したい。
(冨松智陽)
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