
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
「僕が要求した選手をある程度クラブがそろえて、J1で戦える戦力を整えてくれた。今季は目標とするJ1残留を自分たちの力でつかみ取れるように、明日から始まるトレーニングでしっかり積み上げたい」
1月8日に行われた大分トリニータの新体制発表記者会見の席上であいさつに立った片野坂知宏監督は、自身初めてのJ1での指揮に強い気持ちをみなぎらせた。
補強のコンセプトは明確だ。J3からの3年間で積み上げたスタイルの継続性とチーム力を強化し、J1残留、勝点45を目指す。西山哲平強化部長は、「昨季の主力が残ってくれ、継続性はできた。そこに、新戦力を融合させる作業になる。人間性や献身性を重要視して、アグレッシブに戦える選手が加入した」と語る。
新チームの平均年齢は25.16歳(昨季26.35歳)。西山強化部長は編成する際に現場スタッフとミーティングを重ねながら「J2選抜」をつくるイメージを共有した。「試合から遠ざかっている名前のあるベテランよりも、J2で結果を出した選手の方が力を発揮してくれると判断した」(西山強化部長)。FWオナイウ阿道は山口で22得点を記録。山形で12得点2アシストのMF小林成豪はチームの中心選手として存在感を示し、DFの庄司朋乃也は金沢で41試合に出場し、抜群の安定感と1対1の強さを見せた。伊藤涼太郎、小塚和季といった面々もいずれも昨季J2で大活躍した選手たち。片野坂監督は「今回の加入選手はJ1でも十分通用すると判断した」と太鼓判を押す。
大分で指揮して4年目となる片野坂監督
大分は昨季もGKを含めた後方からのビルドアップで攻撃を組み立て、相手のほころびを突くスタイルを追求した。新加入の選手は既存のスタイルに加え、ボールを奪ってからの展開、ゴール前での攻防で力を発揮してくれるはずだ。
ついつい新戦力に目がいってしまうこの時期だが、あくまでもベースとなるのは昨季までのメンバーだ。片野坂監督も「新加入選手を中心にチームをつくろうとは思っていない。いい競争が生まれてチーム力につながる」と釘を刺す。実際、今季の戦力を見渡すと、どのポジションにも複数のレギュラー候補がおり、競争はおのずと激しく、高水準になりそう。
片野坂監督は、「戦力をレベルアップして、J1で暴れ回り、アグレッシブなサッカーをしたい」と話し、昨季J2で最多得点を記録した攻撃的スタイルの進化を目指す。オフの合間にスペインへ海外研修にいき、レベルの高い試合を見た。「攻撃的なスペインリーグでもコンタクト、球際のプレーは激しく、ハードな展開の中で技術を発揮する。学ぶところは多かった」と刺激を受けたようだ。
得点力向上の鍵を握るのは新加入選手なのか、彼らに刺激を受けた既存の選手なのか。いずれにせよ、新しいチームが姿を現す開幕の日が、この上なく待ち遠しい。
今週はコンディションを上げる練習がメインとなる
(柚野真也)
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