OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

臼杵運送

バレー バレー

バサジィ・バレー 待ち望んだ初タイトル、試合ごとに成長を遂げる

バサジィ・バレー 待ち望んだ初タイトル、試合ごとに成長を遂げる

 6人制女子バレーボール部を創設して3年目で手にした初めてのタイトル-。県中学選抜から高校、社会人クラブまで27チームが参加した県6人制バレーボール総合選手権大会(県総合選手権)でバサジィ大分が優勝した。

 

 2日にわたり開催された県総合選手権、第1シードのバサジィは2日目準々決勝からの登場となった。決勝までの3試合は今年のバサジィを象徴するような試合だった。「試合勘が戻るまでに時間がかかった」(徳丸善基監督)のは間違いない。体が重く、攻守でちぐはぐなプレーが散見されたが、それでも最終的に勝利をもぎ取ったあたりにチームの進歩がうかがえた。相手にすれば、「やられた気はしない」という心境に近いだろう。裏を返せば、内容が伴わなくても勝てるのは強くなった証でもある。

 

 初戦の臼杵高校戦は「勝たなければいけないという責任感からプレーが硬くなった」(キャプテン・亀井亜由美)ことに加え、相手の勢いに押された。失った1セット目だけを切り取ってみれば、低調な内容に終始した。

 試合が動いたのは2セット目の中盤あたり。「つなぎの部分は悪くなかった。あとはどこで勝負するかをはっきりする必要があった」と、徳丸監督がエースの伊藤あかねにボールを集めるように指示すると流れが変わった。最高到達点へのスピードが速く、高い打点からのスパイク。停滞気味だった攻撃が蘇生し、連続ポイントで追いつくと、チームに勢いが生まれた。セットポイント28-26で奪い返すと3セット目は終始リードする展開で初戦を突破する。

 

優勝の原動力となった伊藤あかね

 

 準決勝からは肩の荷が降りた。「高い集中力で根拠に基づいた守り方、攻撃をしてくれた」と徳丸監督。両サイドに高いトスを上げてスパイクするオープン攻撃、ブロックシステムを軸にしたトータルディフェンス、サーブとブロックの関係性、組織的なブロックに対抗したスパイカーのコンビネーションなど、これまで築き上げたチーム力の片りんが見えた。試合を重ねるごとに迷いが少なくなり、自分たちのスタイルに自信を持ってプレーできたことが勝利につながった。

 

 優勝の立役者となった伊藤のプレーには「勝つことも大事だが、一緒にバレーをしたいと思ってもらえる試合を見せたい」との思いがあった。理屈抜き、説明抜きで素人でも面白いと直感できるものが本当の面白さだ。会場の観客を魅了した伊藤の豪快なジャンプサーブにスパイクだけでなく、チーム全体で必死にボールをつなぐ姿は、見る人に訴えるものがあった。亀井は「技術や戦術うんぬんではなく、チーム全員が強い気持ちを持って戦うことができた。優勝するまで長かったけど、ようやくバサジィに6人制女子バレーチームがあることを認知してもらえるようになったと思う」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 

 スポーツにおいて勝負へのこだわりは必要だが、「相手の応援団も見たいと思うようなチームにしたい」(徳丸監督)というチームづくりはバサジィ不変のスタイルだ。「バレーが好き、バレーがうまくなりたい。そんな人がもっと集まればバサジィはもっと強く、面白いチームになる」。バサジィは志の高いバレーボーラーに門戸を広げている。

 

創部3年目で初のタイトルを獲得した

 

(柚野真也)