国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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全国高校弓道選抜大会・男子 日田 チームのために、それが大きな力となる
全国大会に向けての3つのテーマ
・チームワーク
・平常心で弓を引く
・欲を出さない
10月の県高校新人大会の弓道競技男子団体戦では優勝候補と目されながら、優勝争いさえできずにベスト8で終わった日田。キャプテンの足達弘康(2年)は「妙に自信があって、それが油断を招いたのかもしれない」と、きゅっと唇をかみしめた。心の乱れは和をも乱し、チームとして方向性を見失った。
「ずば抜けた選手がいない中、チームワークでも勝負できず負けるべくして負けた」と浜田昌子監督。大会後は全国高校選抜大会の県予選を兼ねた第31回県高校弓道選手権に向けて集団行動を徹底させた。練習以外も一緒に行動させ、互いのことを知り、思いやることで、団結力が深まり、長所を引き出すことに成功する。「自分がミスしてもカバーしてくれるし、他の人がミスをしたら自分が挽回しようと思えるようになった」(足達)。
県高校弓道選手権(11月)では、大前(おおまえ)が佐々木悠任、中立(なかだち)は足達、落(おち)に永瀬雅の布陣で、控えに宮田杏太が入る2年生メンバーで優勝。全国高校選抜大会への切符を手にした。佐々木は「県高校新人大会で場慣れしたおかげで緊張しなかった」、永瀬は「悔しさをバネに結束力が高まった」と振り返り、宮田は「程よい自信と緊張感を持って全国大会に挑む」と意気込む。
浜田監督は、選手に「調子が悪いぐらいでいい。初めての全国舞台なので課題を持って、落ち着いて普段通りに引けば予選突破はできるはず。練習以上のことを出そうとしなくていい」と伝えている。欲を出さず、一人一人がチームのために射止めることに集中すれば、自ずと結果はついてくる。
この選手に注目
足達弘康(2年)
中立、2001年6月26日生まれ、169cm、56kg、日田三隈中学校出身
県高校新人大会では「油断していたわけではないが甘さがあった」と思うような結果が出ず、悔しい思いをした。少しの気の緩みが弓矢の操作を微妙に狂わせるため、「勝つためには強い精神力が必要」と自分と向き合い、キャプテンとしてチーム全員の気持ちが一つになるように心配りも忘れなかった。
全国高校選抜大会の出場権が懸かった試合では、「できることは全てやった」と開き直り、重圧をはねのけた。「みんなが練習通りに引け、最後まで集中できた」と優勝を喜んだ。
中学までサッカーをしていたこともあり、足腰が強く、安定感がある。浜田監督は「大前の流れを止めず、中立として勢いをつけてほしい」と期待を寄せた。
全国舞台は全員が初体験。「緊張すると思うが、それも含めてみんなで楽しめる雰囲気をつくりたい」と話した。
(柚野真也)