
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
7月28、29日にあった全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の県1次予選を勝ち上がった注目校を試合を振り返りながら紹介する。2回目は中津東。
1次予選では主力だった3年生が抜けた穴を埋めることができず苦戦した中津東。特に2次予選進出を懸けた大分西戦では、1、2年生の動きが硬く、主導権を握れず、常にリードを許す展開が続いた。
流れを呼び込むために、「第3クオーター途中でオールコートのディフェンスを仕掛けた」と古賀隆浩監督。点差は縮まらなかったが確かな手応えを得た。第4クオーターでは、初めからオールコートプレスでプレッシャーをかけ、相手のミスを誘った。残り5分でついに同点に追いつき、試合終了までシーソーゲームが続いた。
県高校総体後、引退せずに部活を続ける淀原由菜(3年)が落ち着いて試合をコントロール。古野瑠南(3年)が要所で得点を重ね、決勝点となるシュートも決めた。淀原は「試合の入り方が悪かった。どこかで油断があり、チーム全体として思うようなプレーができなかった」と反省し、古野は「私自身が良いプレーをできなかった。シュートが雑だったが、終盤は勝ちたい思いが勝った」と逆転勝利を喜んだ。
負ければ最後の公式戦となる大会で3年生が窮地を救い、意地を見せた。2次予選の初戦の相手はライバルの中津南。淀原は「自分たちが入学して公式戦では勝てていない。県高校総体ではベスト8に入れなかったので、まずは中津南に勝って目標を達成したい」と話し、後輩とともに練習に励み“中津対決”に勝利すると誓った。
2年生の経験値を上げることが課題
淀原由菜(3年)
ポイントガード、156cm、中津緑ケ丘中学校出身
チームの前キャプテン。6月の県高校総体では目標のベスト8に届かず、「もう少しバスケがしたい」と部活を引退せずに、ウインターカップ予選までチームに残ることを決意した。試合をつくり、自ら得点を狙えるポイントガードは、新チームになった今も存在感は強く、後輩の手本となっている。2次予選で勝つために必要なことは「チーム全員の気持ちがバラバラにならず、走り負けないこと」。
古野瑠南(3年)
スモールフォワード、157cm、三光中学校出身
1次予選の大分西戦ではシュートが思うように決まらなかったが、尻上がりに調子を上げ、大事な場面で得点を重ねてチームを勝利に導いた。「ディフェンスが得意なので守備から流れをつくりたい」と話すように、オールコートプレスを仕掛けたときは積極的にパスカットを狙い、そのまま速攻に持ち込み勢いを与えた。淀原とともに3年生として意地を見せた。有終の美を飾り、後輩にバトンを託すつもりだ。
(柚野真也)
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