
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
9年間頂点を守り続けてきた別府鶴見丘の牙城がついに崩れた。王者を破り、初優勝を飾ったのは大分南。柿原茂徳監督が赴任して以降、絶対的エースはいないが全員バレーで着実に力を伸ばしてきた。指揮官と選手の二人三脚で栄光を勝ち取った。
歴史を塗り替えた試合は、両チームともに2戦2勝で迎えた決勝リーグ最終戦。「勝てば優勝」という緊張感に包まれたコートで、両者譲らぬ一進一退の攻防戦が繰り広げられた。1セット目は別府鶴見丘、2セット目は大分南が奪取。3セット目は序盤こそ別府鶴見丘がリードしたが、終盤はシーソーゲームとなった。手に汗握る展開は20点を超えても続き、最後は疲れの見えてきた別府鶴見丘に対し、勢いの衰えない大分南が攻撃を畳み掛け、一気に流れをつかんだ。25点目を決めたのはライトの後藤太陽(3年)。渾身のスパイクでブロックアウトを決めた瞬間、会場は大歓声に包まれ、後藤はその場に崩れ落ちた。
試合後キャプテンの麻生健太朗(3年)は「今まで、監督や応援してくれた保護者に恩返しできなかった。最後の県総体こそはと強い気持ちで頑張った」と涙を浮かべ、喜びをかみしめた。柿原監督は「3年生の意地、勝ちたいという気持ちが勝った」と話し、「全員にMVPをあげたい」と選手を讃えた。
別府鶴見丘はエースの清田晟ノ祐(2年)が徹底的にマークされ、他の選手が奮闘したが一歩及ばず10連覇の夢は叶わなかった。
新たな王者となった大分南は、全国の舞台で貴重な経験を積み、さらなる飛躍を目指す。
全員バレーで初優勝した大分南
2018県高校総体レポート〜憧れの舞台を目指して〜
PICKUP PLAYERS FILE
後藤太陽(3年)
2000年10月7日生まれ、171cm、61kg、別府朝日中学校出身
優勝を決めた別府鶴見丘戦で得点源となった。3セット目終盤の活躍は目覚ましく、相手に飲まれそうな緊迫した状況で得点を重ね、勝利の立役者となった。
ウイニングスパイクを決めたのも後藤だった。「(リーグ戦の)大分工業、鶴崎工業戦では不甲斐ない試合をした。別府鶴見丘戦は気持ちを切り替え、強気でいった」と話し、「大会前から最後は自分にトスが上がって、相手ブロックが上に弾いて決まるというイメージがあった。本当にその通りになり、思い切り打てた」と笑顔を見せた。
兄の影響で小学1年から始め、高校は柿原監督に教わりたいと大分南への進学を決め、ひたむきに練習に打ち込んできた。念願の全国高校総体には「ひるまず自分たちのバレーをしたい」と臆せず挑む。
(甲斐理恵)
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