
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全41校が出場した男子バスケットボール競技。決勝リーグは3連覇中の大分舞鶴に、昨年末の全国高校選手権県予選で旋風を巻き起こした藤蔭、留学生が在籍する日田と別府溝部学園の4強で争われた。結果、王者・大分舞鶴が全勝で4連覇を達成し、全国への切符をつかんだ。
巧みなパス回し、力強いリバウンド、面白いほどに決まるゴール。感動をももたらす大分舞鶴のプレーに、観客席からは時にため息にも似た歓声が響いた。中学で全国大会を経験した選手を中心に、全員がオールラウンダーとしての能力を備えているが、それぞれが役割をしっかりと果たす組織力も見せつけた。
今年4月に赴任した池田剛監督は「決勝リーグまでは厳しい戦いもあり、本来であればもっと得点ができた試合もあった」と振り返った。「指導者が変わったことで選手たちも戸惑いがあったと思うが、今はお互いの意識も統一でき、チームは上り調子にある」
今大会はチームの精神的支柱であるキャプテンの山崎蒔志(3年)をけがで欠いた。チーム総得点の3分の1を挙げる存在だけにその穴は大きかったが、全員がその逆境を力に変えて見事に優勝を勝ち取った。全国では一つでも上を目指すべく、今以上にディフェンス力の強化を図る。
3校が1勝2敗で並び、得失点差で順位が決まった2位争いはし烈だった。互いに持ち味を発揮したが、攻撃力の高い藤蔭が九州大会出場権を獲得した。上位陣の力は拮抗しており、今後も混戦は続きそうだ。
決勝リーグ3連勝で優勝を決めた大分舞鶴
2018県高校総体レポート〜憧れの舞台を目指して〜
PICKUP PLAYERS FILE
久原大弥(大分舞鶴高校3年)
2000年10月5日生まれ、180cm、68kg、別府北部中学校出身
選手層の厚い舞鶴の中でもひときわ輝きを放つ選手。久原は中学時代に山崎、日高俊輔、川井健太と共に全国中学バスケットボール大会で3位の成績を残した。「中学からの最強メンバーでまた勝ちたい」と全国への思いは強い。また、3年生10人のうち夏までに5人が部活を引退するため、「決勝まで進んで全員を試合に出したかった」とも口にした。練習前や練習後の自主練で3ポイントシュートの精度を磨いた久原。試合でもその地道な努力が結果となり、大事な場面で得点を重ねた。「監督、コーチ、ベンチ入りできなかった選手も全員が一つになれたから優勝できた」と、支えてくれた人たちへの感謝を語る。「九州大会はベスト4以上、インターハイ(全国高校総体)もベスト8以上を狙いたい」と次の目標へ向かう。
(黒木ゆか)
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