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大分商業高校 役者そろい、照準は県高校総体

大分商業高校 役者そろい、照準は県高校総体

県高校総体直前特集 バレーボール女子#04 大分商業高校

 

 県高校新人戦、全九州バレーボール総合選手権大会県予選会(全九州総合県予選)はベスト4。新チームになって東九州龍谷高校に続く2番手の定位置を落としているが、森栄一郎監督には焦りはない。「けが人が多くベストの状態とはほど遠い。無理をしても仕方ない。勝負は県(高校)総体だから」と、1カ月後に控えた県高校総体に照準を合わせている。

 

 左の藪谷理咲、右の岡部さくらの3年生エース2人を擁し、脇を固める選手も中学時代に県選抜チームに選ばれた実力者ぞろい。全九州総合県予選では両エースがけがで本調子とはほど遠い状態のなか、これまで黒子に徹していた選手の活躍が光った。

 

 ひとりは準決勝の東九州龍谷戦でジャンプサーブで相手を揺さぶった後藤菜摘(3年)。大分商業の飛び道具だ。「今回はサーブが決まったが総合的にいいものを持っている。ハマればどのチームにとっても脅威となる」と森監督。サウスポーから繰り出されるサーブは軌道が読みにくく相手のミスを誘発した。後藤は「まだまだ修正点があり、県総体まではもっと際どいサーブを打てるようにしたい」と試合の流れを変えるサーブに磨きをかける。

 

 もうひとりは高城優亜(2年)。身長170cmを超える大型ミドルブロッカーとして鳴り物入りで入学してきたが腰のけがで半年以上練習できない時期があった。「ようやく復調してきた」と森監督は復帰を喜ぶ。高さを生かしたブロック、パワフルなスパイクを得意とし、戦力として計算ができるようになれば選手層が格段と上がる。「これまで休んでいた分を取り返したい。練習でやってきたことが通用することが分かったので自信を持ってプレーしたい」と高城。確かな手応えをつかみ県高校総体に臨む。

 

 藪谷、岡部の両エースがコンディションを上げ、万全となれば役者がそろう。新チームとなり公式戦2大会は不甲斐ない結果となっていただけに、勝負の大会と位置付ける県高校総体では何かやってくれそうな期待は大きい。

 

高城優亜などがけがから復帰し、選手層は厚くなった

 

注目選手

 

仕事人

後藤菜摘(3年) ライト 167cm 城南中学校出身

 

 

 コートネームは岳(ガク)。山のように高く飛ぶジャンプ力が由来。藪谷、岡部の両エースにばかり目が行きがちだが爆発力を秘める。得意とするのは、試合の流れを変えるジャンプサーブ。毎年、試合球のメーカーは男女交互で入れ替わる。女子は4月からモルテンとなり、「ボールに回転がかかりやすく落ちやすくなった」と1カ月前からジャンピングサーブの習得に取り組み、全九州総合県予選で結果を出した。「3年生にとって最後のチャンスなのでチーム一丸となって強気のバレーをしたい」と県高校総体での巻き返しを誓った。

 

次期エース候補

高城優亜(2年) ライト 172cm 稙田南中学校出身

 

 

 「ピンチの時に(自分に)トスが上がり、ピンチの時はブロックで止める。そんな点が取れる選手になりたい」と心構えはエースそのもの。1年生の間はけがで思うように練習ができず、「同じポジションの選手がうまくなっているのを見て焦りばかりだった」。それでも復帰した時にチームに何ができ、どんなプレーで勝利に貢献できるかを考えた。「相手の勢いを止めるブロックをしたい」と復帰後は得意のブロックに磨きをかけ見事に復活。彼女の活躍がそのままチームの伸びしろとなる。

 

(柚野真也)