
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
大分高校女子バスケットボール部が創部1年目で鮮やかなデビュー戦を飾った。1年生8人で挑んだ「南九州四県対抗選手権県予選」でベスト4入りを果たした。
中高一貫校である大分は、2015年に中等部女子バスケットボール部を創部した。新たなチャレンジに大分市内の小学校を中心に選手が集まり、2016年に県中学校新人戦バスケットボール大会で初優勝すると、翌年には県中学校総体で優勝、九州中学生バスケットボール大会で4強入りするなど実績を残す。今年4月に高等部に活動の場を移し、公式戦デビューとなった南九州四県対抗選手権県予選では、1回戦、2回戦と100点ゲームで勝利し、勢いそのままに準々決勝では第4シードの明豊に快勝した。準決勝では県内では無敵の中津北に惜敗したが、井場田卓監督は「ベスト4入りは想定内だったが、正直、中津北相手にここまで善戦するとは思っていなかった」と驚いた。
公式戦デビューで堂々とプレーした
強さの秘密は“4年目の組織力”にある。もともと能力の高い選手たちではあるが、中学3年間で積み上げた多彩なフォーメーションプレーを展開した。エースの秋吉楓(1年)を中心にポジションにとらわれず、どこからでも攻撃を仕掛けることができる。コンタクトプレーの多いゴール下、球際では中学を卒業したばかりのチームは苦戦したが、それを補って余るハンドリングの巧さでカバーした。
「強いチームに挑む楽しさしかなかった。私たちは挑戦者だし、怖いものはない」と秋吉。臆することなく、バスケットボールを楽しむ姿は爽快だった。中津北戦では、第2クオーターまでリードする予想外の展開に会場の期待感は高まった。中津北のオールコートゾーンプレスを前に点差を広げられる場面があったが、相手の守備網をくぐり抜け得点を重ねた。井場田監督の指示にすぐに対応できる適応力に優れ、王者を追い詰めた。第4クオーターで体力の差が出てしまったが、6月の県高校総体に向け大きな自信をつけた。井場田監督は「まだまだ挑戦者。それを常に忘れず明るくバスケを楽しみたい。彼女たちは成長過程であり、大きな可能性を感じた」と話した。
「強いチームと対戦して楽しかった」と秋吉楓
(柚野真也)
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