県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
楊志館高校 確実に得点につなげ、さらなる高みを目指す
九州地区高校野球大会県予選で見えた注目校の収穫と課題 #05
収穫:練習の成果が試合で出せた
課題:バッティングと守備の精度アップ
楊志館は昨秋の九州地区高校野球大会県予選でベスト8となり、今大会は「ひとつ上の景色を味わうことで選手たちに自信をつけさせたい」(萩原田久生監督)と4強入りを目指した。
甲子園出場経験のある楊志館と杵築の対戦となった準々決勝。両校とも得点を量産して勝ち上がってきたこともあり、打ち合いが予想されたが結果は4—2と杵築に軍配が上がった。
初戦となった2回戦の大分南戦で7—6の接戦を制し、続く大分東戦では11—1(5回コールド)と大勝した楊志館。今大会は特に打線が光ったが、準々決勝の杵築戦では「クリーンアップがうまく機能せず、チャンスを生かせなかった」(萩原監督)。
先発の廣津創太(2年)は3回に1点を許すも、4、5回はそれぞれ打者3人で抑えるなど好投した。6回に立て続けに2本の右前打を許し、無死1、2塁でマウンドを降りたのは誤算だった。ピンチの場面を任されたのはエースの柳井大聖(3年)だったが、四球での押し出しと左前打によりこの回に3点を許す。その後、打線が奮起し8回と9回に1点ずつ返し粘りを見せた。幾度も得点圏に走者を進めたが、杵築守備陣の好プレーによって阻まれた。それでも萩原監督は「自分たちで考えて判断するクセが身についていることを感じた大会だった」と手応えを口にした。
目標の4強入りはならなかったが確かな手応えをつかんだ
監督インタビュー「選手個々が自分なりの武器を備えて夏を迎えたい」
昨年の甲子園予選はベスト16、秋の大会(九州地区高校野球大会県予選)ではベスト8と成績を上げてきていたので、この大会はベスト4を目指していた。選手たちに自信をつけさせ、「次はもっと上を狙わなければいけない」という良い意味でのプレッシャーを与えたかった。
杵築戦では大きなミスはなかったが、相手投手の失投を得点につなげられなかった。打線については1番の利光(陸空・3年)、3番の岩下(竜馬・3年)、4番の福山(翼・3年)がうまく機能し、下位打線につなげることがカギになる。今後は打撃の精度を上げ、確実に得点につなげられるようにしたい。守備の力量も杵築が一枚上手だったし、杵築投手のキレのある高めのボールがとらえられず、苦手な球を攻略するためにいい宿題をもらえた。攻守ともに細かいところをきちんと修正し、夏にはもっと上を目指せるように努力していきたい。
今年のチームは本当に野球が好きな選手ばかりで、練習を楽しんでいるからこそ、もっと成長が期待できる。強いチームに勝つために、“主体性”を身につけることを目標に練習を重ねてきた成果が発揮できた。選手個々が自分なりの武器を備えて夏を迎えられるよう指導していきたい。
「今年のチームは本当に野球が好きな選手ばかり」と語った萩原監督(左から2番目)
(黒木ゆか)