県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
日田林工高校 集中打でシード校を破り、自信芽生える
九州地区高校野球大会県予選で見えた注目校の収穫と課題 #03
収穫:集中打が出るようになった
課題:レベルの高いピッチャーの攻略
第142回九州地区高校野球大会県予選の準々決勝。2回戦で第1シードの柳ケ浦を破り、勢いに乗った日田林工が見据えていたのは優勝の二文字。射場尚隆監督は「春だからと手探りではなく、優勝という明確な目標を持って一つずつ勝ち上がってきた」と、ノーシードから這い上がってきたチームの成長に手応えを感じた。
準々決勝までの3試合は、チャンスの場面で打線がしっかりと結果を出し、勝利に結びつけた。しかし、準々決勝は好投手を擁する竹田を打ち崩すことができず完封負け。射場監督は「ミスから先制されたのが痛かった」と話したように、四球や失策から得点を許し、相手に主導権を与えた。キャプテンの河野善斗(3年)を中心に「試合が動いた今からが勝負。点を取っていこう」と気合を入れ直したが、好投手を前に打線は沈黙。夏の大会に向けてレベルの高い投手をいかに攻略するかが課題となった。
試合後、河野は「今日の打線は“1人1本”という目標がかなわず、自分たちの試合ができなかった。攻守ともに夏までに課題を克服したい」と悔しさをにじませた。だが、投手が試合をつくり、打線は主力となる3年生の3番岩下凌大、4番中村凌也、5番岐部成哉につなげる得点パターンが確立できつつある。シード校を破り、ベスト8という結果を出したことは大きな自信となった。
“1人1本”打線がつながり勝ち進んだ
監督インタビュー「夏は十分上が狙える。頂点を目指す」
(準々決勝の)竹田の投手には苦戦するだろうと予想していた。選手たちが相手のタイミングに慣れてくる中盤あたりから攻略していくつもりだったが、向こうが一枚上だった。尻上がりに調子を上げ、結局最後までキレのいいボールを打ち崩すことができなかった。
昨年秋もここぞという場面でタイムリーや長打が出ずに苦戦したので、冬場は“打てるチーム”を目指して練習に取り組んできた。1回戦、3回戦では(2桁得点を記録し)それなりの成果を出せたと思うが、竹田戦のようにキレのある投手にはまだまだ通用しない部分も多いと分かった。上を目指せば当然レベルの高い投手と対戦することになるので、その攻略が今後の課題になる。
2回戦で第1シードの柳ケ浦を破ったことは、選手たちにとって大きな自信になったと思う。特にピッチャーの有永夢叶(3年)は昨年秋の県高校野球選手権大会で柳ケ浦に負けて悔しい思いをしているので気合が入っていた。しかし、竹田戦ではそれが力みになった。4回に四球、失策で迎えた満塁の場面も「自分がなんとか抑えなければいけない」と意識しすぎて、2点を失う結果になった。そういう精神面も含め修正していかなければならない。
攻守ともに課題も多いが、夏は十分上が狙える。頂点を目指して頑張っていきたい。
準々決勝で敗れたが、シード校を撃破し自信は深まった
(甲斐理恵)