OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

株式会社古城

サッカー サッカー

トリニータ 片野坂知宏監督インタビュー 柔軟な采配で今季は結果にこだわる

トリニータ 片野坂知宏監督インタビュー 柔軟な采配で今季は結果にこだわる

 片野坂体制3年目のシーズンが始まる。着実に監督としてのキャリアを積み、明確なチームスタイルを築いた指揮官は、柔軟な采配で今季は結果にこだわると明言した。今年のビジョンとともに、開幕戦に向けてチームの現状を聞いた。

 

ベースがあるので昨年よりもいいスタートが切れる

 

-これまでのトレーニングマッチの印象を教えてください。

 「いろんなタイプの相手と対戦して、選手の組み合わせを試しました。ある程度ですが、選手個々のコンディションを見極めることができ、戦術の浸透度は見えてきました。その中で新加入選手はウチのスタイルを理解しているし、チャレンジしてくれています。あとは対戦相手や試合の状況によって、選手の組み合わせを使い分ければいいかなと思います」

 

-昨年のメンバーをベースに新加入選手をミックスしていく感じですか?

 「昨年、多くの試合に出ていた鈴木惇と上福元がいなくなったぐらいで、あとはほぼ残ってくれてベースはできています。新しい選手が戦術の理解を深め、既存のメンバーに合わせてほしい。自分たちのサッカーを昨年1年間続けてきました。積み上げたものはあるので、昨年よりもいいスタートが切れるはずです」

 

-パスを回しながらも、最後のところで崩し切れない印象がありますが、監督はどのように感じていますか?

 「崩しのアイデアは必要。特に攻撃陣には映像を見せて、どうすれば得点につながるかということは話しています。一番は状況判断と予測の部分。相手が引いてブロックをつくるのか、ゾーンで守るのか、人に対して激しくプレッシャーにくるのか。相手の状況によって判断を変えて、崩してチャンスをつくってほしい」

 

-チーム始動当初から思い描いていた通りにチームづくりは進んでいますか?

 「どうですかね。こればかりは試合をやってみないと分からない。ある程度のところまで持ってきた手応えはあります。ただ、それがベストかどうかは分からない。開幕戦と最終戦でメンバーが変わっているかもしれないし、システムも変わるかもしれない。そこは臨機応変にやっていきたいです」

 

-新戦力の台頭は?

 「期待はしています。即戦力が入ったし、戦術も理解してくれているので」

 

-大分のサッカーは難しいという選手もいますが、順応するために必要なことは?

 「一人ではできないので、周りとの関係を見ながらプレーし、その中で自分の特徴を出してほしいです」

 

-現在の課題を挙げるなら?

 「バランスかな。攻撃にしても、守備にしても、局面だけでなくボールの関係ないところにいても予測、判断力をもう少し高めたいですね」

新戦力の融合に期待は高まる

 

この2年間で狙うスタイルは表現できた

 

-トレーニングマッチでは失点が多かったですが?

 「失点の場面は自分たちのミスからカウンターでやられている。リスク管理して、球際や攻守の切り替えなどベースの部分で負けないように、粘り強く、我慢強くプレーしたい。昨年からの継続の部分を徹底しなければいけない。後手になると失点するのはトレーニングマッチから学んだ。(開幕戦の)栃木はカウンターを狙ってくるので、痛い思いをしないで済むようにしなければいけない」

 

-監督としてJ2は2年目となります。昨年との違いは?

 「目標が違う。昨年はJ3から復帰して最初の年だったので残留が目標でしたが、今年は高い目標となります。ただ、J2初年度と違い、今年はこのカテゴリーで戦うために何が必要か分かっている。守備は隙をつくらず、体を張ってタフに戦うこと。攻撃は判断と質、そしてスピード。チャンスはつくれているので決定的な場面で決め切れれば、勝つことができます。結果にこだわり、J1昇格プレーオフを目指すために勝点70を狙います」

 

-この2年間で手に入れた一番の強みとは?

 「一つじゃないけど、自分がコーチとして学んで、監督の立場となって実践し、経験値が上がったこと。結果としてJ3優勝、J2で9位となったのは、狙いを持ってやってきた戦術が表現できたからだと思います」

 

-監督として、この1年間で追求したいことは?

 「プレーの精度、判断と質を選手に高めてもらうこと。あとは僕自身も戦術を含めて柔軟性を持つこと。いろんな相手がいるので、やり方を変えて、自分たちのいいところを出し、相手に嫌なことができるような判断をしたい」

 

-この2年で土台はしっかりできた印象ですが。

 「ボールをしっかり自分たちがつないで、変化を見て攻撃するところはできていると思います。どこを見て、どういう変化を見るのか。そういうところも分かっています。あとは状況によって優先順位をうまくつけることができればと思います」

 

-開幕まで1週間。先発メンバーは固まっていますか?

 「ボランチの人選が一番悩むところ。攻守のバランスをとるのか、前にボールを出すことを考えるのか。ボランチはいい選手が入ってくれたので使い方次第だと思います。前線はある程度特徴が分かっているので、あとは選手の状態と対戦相手との戦い方を考えて決めていきます」

 

2年連続チーム得点王の後藤優介

(柚野真也)

大会結果