
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全九州高校バスケットボール春季選手権大会県予選最終日は4日、大分商業高校であった。男子は大分舞鶴高校、女子は中津北高校が優勝。第1シードの両校は順当に勝ち上がり、上位4チームで争われる決勝リーグでも全勝した。
県高校新人大会に続き、新チームになって負けなしの大分舞鶴。先発5人はスピードに加え運動量がある。何より全員が複数のポジションをこなせるオールラウンダーのため、個々の判断で試合展開に柔軟に対応できる。司令塔の久原大弥(2年)が試合をつくる。ボールをまわしてインサイド、アウトサイドどこからでも得点を狙う。守っては、誰もが気を抜くことなく走り、スティールを狙い速攻につなげる。齋藤哲也監督はチームのスタイルをこう語る。「ディフェンスの意識を高く持ち 、久原を軸に中と外のバランスで戦う」。大会を通して安定した力を発揮し、他校を攻守で圧倒した。
冷静に試合をつくった久原大弥
女子は中津北が強さを見せつけたが、本調子には遠かった。全国大会常連校であるが故に、他校に比べ新チームの始動は遅くなる。決勝リーグの藤蔭戦は常にリードする展開だったが、第3クオーターでは一時3点差まで詰め寄られた。ただ、そこから伝統の強烈なプレッシングと球際の強さで圧倒し、点差を広げた。平川稚尋(2年)は「リバウンド、ルーズボールへの執念がまだまだ足りない」と反省したが、勝負どころでの集中力は凄まじかった。
新チームとなり1カ月余り。完成度の低さは否めない。ただ、それは百も承知だ。大津留礎監督は「春までに個々のスキルを上げ、その後、個の力を結集してチームのスタイルを築く」と話すように、時間をかけてチームを熟成させるつもりだ。選手も常勝チームとして先輩が歩んできた過程を見ているので理解できている。「今は課題を明確にする時期」(平川)と、今大会の優勝は単なる通過点としか見ていないようだった。
新チームにも球際の強さは根付いている
(柚野真也)
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