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シビックプライドを大切にしながら社会を学ぶ佐伯豊南高校商業部 【大分県】

シビックプライドを大切にしながら社会を学ぶ佐伯豊南高校商業部 【大分県】

 自分たちが暮らす街を知り、地域活性化につなげる活動をしている佐伯豊南高校商業部は、今春設立されたばかり。「校外活動や地元企業と関わっていくことが生徒たちの社会勉強となり、将来へ繋げていければ」と、これまで20年以上、県内各校で商業部に携わってきた顧問の山下智史教諭が立ち上げた。

 

 活動は週3日。地元の小学校を訪ね、給食の調理で出る生ごみや食べ残しの研究をするなど地域に関するさまざまな活動をしている。「最初は校外での活動に緊張もしたが、街の人たちと接することで多くの気付きがある」と東江奏音(2年)。「部活動を通じて地元企業と関わりを持つことは将来のためにもなる」と日々の活動を楽しんでいる。

 

校外では自分たちの暮らす街の魅力を再発見している

 7月に大分市内で開催された「第51回大分県高等学校生徒商業研究発表大会」では、「消滅させない街づくり〜“さいきまちあるきロゲイニング”によるシビックプライド醸成プロジェクト〜」と題した取り組みを発表し、見事優秀賞(2位)に輝いた。きっかけとなったのは、人口が急減し、最終的に消滅する可能性がある「消滅可能性自治体」が今年発表され、その自治体の一つに佐伯市が入っていたことだ。自分が住んでいる地域に対する誇りを定義する「シビックプライド」の醸成を課題に挙げ、地元の人口減少問題に対して自分たちができることは何かと考え、発案に至ったという。

 

 ロゲイニングとは、チェックポイントに設定された街の各所を時間内に巡りながら、得点を集めるスポーツ。部員たちはチームごとに作戦を立てて街を歩きながら、佐伯ならではの海産物店や名所を探した。知らなかった場所も多く、新たな発見になったという。この競技を通じ、地元の魅力を再確認するとともに、若い人たちが地元に興味を持つことで、人口減少を食い止めるきっかけにしたいという部員たちの思いが受賞へつながった。

 

 今後は地元企業と共に、廃棄される海産物を使用した商品開発などを計画中。SDGsの観点を取り入れた活動に力を入れていきたいという。「大会も大切だが、私たちの活動テーマは地域。活動する中で地元の人たちと生まれるつながりを大切にしたい」と山下教諭。生徒たちの学びと地元企業の発展、両方にとって良い活動を続けていきたいと話す。地元・佐伯に対するシビックプライドの醸成となる活動は、より良い街づくりの発展につながっていく。

 

7人の部員たちが活動している

 

 

(塩月なつみ)