OITA SPORTS

7/2 WED 2025

supported by

株式会社 まるひで

その他

大分トリニータ 内容を結実できず3試合を終えて未勝利 

大分トリニータ 内容を結実できず3試合を終えて未勝利 

 リーグ戦3試合を終えて未勝利。内容と結果のギャップに苦しめられ続けている。はっきり言えば、内容は開幕戦から悪くない。今季、チームが目指すスタイルがピッチ上で体現されており、見ているサポーターにもしっかり伝わっている。試合後に毎回、ゴール裏から送られるのは、熱闘をたたえる惜しみない拍手であることが、何よりの証明だろう。

 

 「昨年との違いはボールを奪う位置」と下平隆宏監督が明かす通り、布陣が4−3−3になってから、ボールを失った瞬間に、奪えそうならすぐに奪い返しに行く意識が強くなった。3トップになったことで前線からのプレスがかけやすくなり、高い位置で奪い返せば、そのまま攻撃につなげやすくなった。

 

 ただ、前に人数をかけている分、自分たちの最終ラインが手薄になるケースも多く、簡単に失点する場面が目につく。中盤を省力してロングボールを放り込まれたり、カウンターからドリブルで独走を許したりすることもある。そのあたりは「攻守のバランスを考えなければいけない」と下田北斗。最終ラインとトップ下の選手の間に位置する下田の両脇のスペースを狙われることが多く、そのスペースを、トップ下もしくはサイドバックの選手が、動きがかぶらないように埋める必要がある。連動性は徐々に良くなっているが、「試行錯誤は続いている」(下田)。

 

攻守のバランサーとなる下田北斗

 

 今季目指すサッカーにおいて、下田を頂点とする逆三角形の中盤の3人が、現布陣の重要なポイントとなってきそうだ。試合をつくりながら、トップ下の2人はゴール前に入っていかなければいけないし、サイドに開いて攻撃に厚みをもたらす動きも必要。トップ下の一人、町田也真人は「ミドルシュートも積極的に打たなければいけないし、失点を減らすために常に頭を働かせながら、バランスを崩さないようにする必要もある。まあ、中盤の3人がとにかく頑張れということ」と苦笑いするが、悲壮感はない。「今のシステムは、よりアグレッシブにボールを取りに行ける実感がある。最低限のリスク管理をしながら、できるだけ高い位置で奪うのが理想。そのためには今やっていることを続けることが必要」

 

 練習したことの多くを実際に試合に出せている。しかし、結果は未勝利と、結実に至っていない。もどかしさはあるが、勝つことが良薬であることは監督も選手も分かっている。「選手たちの表情から『勝ちたい』という意志が強く見えた」(下平監督)と前向きだ。中2日、3日の過酷な連戦が続くが、自分たちのスタイルを貫くしかない。

 

「今のスタイルを続けることが必要」と語った町田也真人

 

写真は全て大分フットボールクラブの提供

 

(柚野真也)