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大分トリニータ 形になりつつある新システム、攻撃意識を高め得点力アップを目指す

大分トリニータ 形になりつつある新システム、攻撃意識を高め得点力アップを目指す

 リーグ開幕を待ちわびるサポーターの前で、今季初めての練習が昭和電工ドーム大分で公開された。サポーター約500人が見守る中、選手は芝の感触を確かめ、11対11などを通じ、サイド攻撃や2列目から飛び出す形を意識した練習が行われた。下平隆宏監督は「天気も良く、サポーターがいい雰囲気をつくってくれたので、晴れやかな気持ちで練習ができた。サポーターの期待感が伝わった。開幕戦で勝って喜びを分かち合いたい」と開幕勝利を誓った。

 

 下平監督は1年目のキーワードに「継続」を挙げており、昨季からのチームコンセプトを踏襲する方針だ。「昨季までのスタイルを継続しつつ、徐々に僕の色を出していければいい。力がある選手が多く、それを引き出すことが大事」と語る。昨季同様にマイボールを大切にし、後方から攻撃の形を組み立てるが、今季はゴールへの意識を強調している。ピッチの幅を最大限に使って丁寧にパスをつなぎ、クロスからゴール前に飛び出していく―。そんな攻撃的なスタイルを追求している。

 

 これまでに行われた練習試合は、昨季までの3バックから、攻撃に比重を置いた4-3−3を採用。調整の色合いが濃く、結果にこだわる時期ではないが、全てセットプレーからの得点となったことを考えれば、新システムが機能したとは言い難い。キャプテンの下田北斗は「守備の役割が大事になってくるけど、意外とスムーズにできた。少しずつ良くなっている」と充実の表情だ。

 

開幕戦に向けて調整は順調

 

 現システムの導入に伴い、昨季までは相手ボールになった際、まずは陣形を整えてセットしていた守備のやり方が、今季はボールを失った瞬間にプレスをかけて奪い返すことが徹底されている。下平監督は「あくまで自分たちの攻撃を長くするための手段の一つだが、高い位置でボールを奪い返せばゴールへの距離が近く、得点のチャンスは増える」と話す。より連動性が求められるが、練習を重ねるごとに息は合ってきている。

 

 ポジション争いは横一線で、増山朝陽は「監督が代わってポジション争いはヒートアップしている。レギュラーは誰も確定していないので活気がある。監督は『(イングランド・プレミアリーグの)マンチェスター・シティのような、前から守備をして、攻撃的なサッカーをしたい』と言っている。目指すサッカーが分かりやすく、僕としては伸び伸びプレーができている」と手応えを語るように、明確な方向性の下、個々の長所を生かそうと、活気のある練習を続けている。「厳しさと競争」。下平監督の狙い通りに、準備は進んでいる。

 

狙いを明確にして戦術浸透を図る下平隆宏監督

 

 

(柚野真也)