
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
選手時代は大分三好ヴァイセアドラーに所属し、バレーボールV・プレミアリーグでプレーした徳丸善基コーチ。2014年の現役引退後、指導者への道を歩み、2016年にバサジィ大分の女子バレーの創設とともにコーチに就任した。「どうすればチームが強くなるのか考えるのが楽しい」とチームとともに成長する日々を過ごす。
日本最高峰のレベルを知る徳丸コーチにバサジィ大分や大分県内のバレーについて現状を聞いた。
Q:バサジィ大分の女子バレーについてですが、8月にあった「全日本クラブカップ女子選手権」を振り返ってもらえますか?
A:チームとしては昨年のベスト16以上を狙っていたのですが、決勝トーナメント1回戦で負けました。勝負ごとに言い訳はできないし、この結果を受け止めるしかない。練習してきたことが出せなかった。サーブで崩し、ポイントを取ることもあったのですが、タイムアウト後の「よし、いくぞ!」というときにサーブミスがあったり、連続得点しているときもサーブミスが出ました。他にも決勝トーナメントの第1セットで、レシーブは結構拾っていたのですが、そこで(ボールを)お見合いしてしまった。そこから試合の流れが変わり、スタッフも修正しようとしたのですが相手の流れを止め切れなかった。自分たちで流れを止め、チームの勢いを失った。それに尽きます。
Q:バレーは流れのスポーツと言いますが、ひとつのミスが勝敗に直結するものですか?
A:1プレーで流れが変わるのがバレーの怖さです。安易なミスをすると、相手はその程度のチームなんだと思い、精神的優位に立ち勢いが増す。クラブカップでは相手の勢いに押され、萎縮して自分たちのバレーができなかった。相手に傾いた流れを引き戻すのは並大抵の力では及ばない。だからバレーは堅実にプレーし、ミスが少ないチームが強い。バサジィもそんなチームを目指さないといけない。
「1プレーで流れが変わるのがバレーの怖さ」と語る徳丸コーチ
Q:バサジィのバレーを見ているとスマートな印象を受けます。悪い言い方をすれば泥臭くないと感じます。
A:僕は泥臭いバレー、形にこだわらず、ガムシャラにプレーして、ボールを落とさないスタイルが好きなんですが、どうも彼女らはおとなしい。練習でも確認の声、指示の声が小さい。声を出し、ワイワイすることが全てとは思いませんが、助け合いの競技なのでチームのことを考えられる選手になってほしいです。
Q:今後コーチとして選手に求めることは?
A:個の能力を上げることです。選手はまだまだ伸びしろがある。急激にジャンプ力がアップすることはないですが、プレーの幅を広げることはできます。ボールの下への入り方、体の向きなど細かい部分での修正箇所はいっぱいあります。そこをクリアしていけば安定したプレーができるようになるし、ある程度の水準に達することができるはず。実際に上達する選手を見るのは嬉しい。選手の持ち味を引き出し、レベルアップを図るのが僕ら指導陣の役割なので、やり甲斐を感じています。
Q:まだ先の話になりますが12月に「大分県6人制バレーボール総合選手権大会」があります。この大会で生まれ変わったバサジィを見ることができるのでしょうか?
A:まだ総合選手権まで時間があるので、これまでやってきた自分たちのバレーを明確にし、レシーブ、サーブなど原点に戻って、基礎からチームを作りたいと思っています。バサジィはレシーブを武器としているチームです。課題は連携を高めること。例えばスパイクを打たれたときに、ふたりの間にボールが落ちるとします。そのボールを誰が受けるのか。レシーブが上がったときに誰がトスにいくのか。もっと詰めれば、どの位置にブロックをつくり、どこに打たせるのか。チームプレーをスムーズにやれるようにコートに入る6人が連動する必要があります。今は一人ひとりが単発で動いているので、あの選手はここまで動く、あそこは動けないとそれぞれのプレーエリアを練習で確認していくことが必要です。そのためにはコミュニケーションが必要だし、自分を主張できる雰囲気をつくっていかなければいけない。
Q:では目標は?
A:もちろん優勝です。大分県は全国でも高校のレベルは高いので簡単なことではないですが、バサジィという名前を背負っているので勝つ姿勢を見せなければいけない。見ている人があの選手かっこいい、あんな選手になりたいという魅力のあるチームにしたいです。
※後編は10月4日掲載を予定しています。
12月の総合選手権に向けてチームの再建を図る
(柚野真也)
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