OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

カーウェル

バスケ バスケ

ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 バスケットボール女子 大分、つなぎ世代と呼ばれた3年生の有終の美

ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 バスケットボール女子 大分、つなぎ世代と呼ばれた3年生の有終の美

 大分が新しい次のステージに踏み出した。全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に初出場し、2回戦で明秀学園日立(茨城)に64-67で惜敗。楠本哲二監督は「ここまで良くやった感はある。(2回戦で)負けはしたが、サイズの小さなチームがよく戦った」と、持てる力を出し切ったことを語った。初戦に勝利し、全国大会白星スタートとなった翌日の2回戦。全体のサイズが大分よりひと回り大きく、フィジカルコンタクトの強い相手に、リードする時間は長く続いた。逃げ切りを図った第4クオーター半ばまでプラン通りに試合を運んだが、最後は相手のパワーに押し込まれて逆転を許した。キャプテンの後藤楓花(3年)は「最後に相手に流れが行って押し戻せなかった。ベンチから声を出すことしかできなかったことが悔しい」と涙を流した。

 

 大分中学に女子バスケ部ができたのが2015年。その3年後に高校にも創部し、中高一貫で強化してきた。2期生となる3年生は、1期生を支え、最上級生になってからは下級生の突き上げがあり、ベンチで過ごす時間が多かった。後藤は「悔しい思いをした。他の高校のキャプテンはスタートから試合に出て、チームを引っ張っているのに、それができなかった」と振り返る。それでもウインターカップでは、チームが苦しい場面でコートに立ち、泥くさいプレーもいとわず、体を張ってチームを鼓舞した。初戦の福島東稜戦では悪い流れを断ち切り、明秀学園日立戦でもコートに立ったが、相手の肘が腹部に入り、無念の交代を強いられた。コートに立った時間は2試合で8分足らずだが、チームのためにプレーする姿は後輩の目に焼きついたはずだ。「全国大会に出て、(高校バスケを)終えることができてうれしい。みんなにありがとうと伝えたい」と感謝の言葉を口にした。

 

 中津市豊陽中から大分高校に入学した足立凜(3年)も悔しさをバネに頑張った3年生の一人。入学して間もなく右膝をけがして、1年間練習ができなかった。「何のために大分高校に来たのだろう」と悩んだ時期もあったが、一生懸命にリハビリする姿を見ていた同級生が仲間として受け入れてくれた。「私はみんなと2年間しかバスケができなかったけど、仲良くしてくれた。大分に来て本当によかった」と振り返る。全国大会の舞台は緊張の連続だったが、躍動する下級生に奮起した。1回戦は出場機会がなかったが、2回戦ではコートに立ち、“3年間”の集大成をプレーに込めた。下級生には「1、2年生が頑張ってくれたおかげで全国大会に出場できた。来年もウインターカップに出て、勝ち上がるチームになってほしい」とエールを送る。

 

 これまで全国大会に出場することが目標であったチームは、悲願の全国大会初出場を果たし、次は全国大会で勝つチームになることが目標となる。“つなぎの世代”であった3年生だが、チームが次のステージに踏み出す橋渡しをしたことは事実。彼女たちがいたから大分の歴史は続くのだ。

 

コートに声援を送り、チームを盛り上げた

 

 

(柚野真也)

大会結果

2023年度