大分上野丘高校ラグビー部 佐藤武信(3年) file.827
ラグビー
ラグビートップリーグ 国内最高峰の試合に酔いしれる
ラグビーワールドカップ2019日本大会まで2年を切った。開催スタジアムとなる大分銀行ドームで24日、トップリーグ5節キヤノンイーグルスとヤマハ発動機ジュビロの試合があった。1万8279人の観客が熱い声援を送る中、試合は始まった。
開始8分、試合は動き出した。ヤマハは相手のラインアウトのミスからゴール前に迫り、5mラインからスクラムで押し込み、最後は堀江恭佑がトライし先制する。清宮克幸監督が「最初のスクラムで圧倒し、ターンオーバーからのトライで勢いづいた」と振り返ったように、その6分後にもトライを重ね、ゴールも成功すると一方的な展開となった。スクラムで優位に立ち、素早い球出しでスピーディな攻撃を仕掛けるヤマハに対し、キヤノンは防戦一方となり、43−0の大差で折り返す。
後半は自陣からキックを多用したキヤノンが、2分、5分と立て続けにトライを奪い、ゴールも成功した。点の取り合いを挑んだが、「勝つための気持ちが負けていた」とキャプテン植松宗之の総括は的を射ている。結果はヤマハ69−21キヤノン。キヤノンはパスして、走って、連携してという基本的なプレーができなかった。不出来はおそらく技術的な問題ではない。体力の問題でもないだろう。4戦未勝利のチームは、どこか元気がなく、自信もなかった。それでも試合の中で修正を試み、最後まで諦めなかった。
7ゴールを決めた五郎丸選手(ヤマハ)
両チームとも積極的にボールを動かし、反則も少なく、見応えのある試合だった。清宮監督は「ワールドカップが開催される会場に、たくさんの客が入ったことで、選手は躍動した」とスタジアムの雰囲気の良さが選手を後押ししたと評し、「1万8000人を集めた関係者の思い、情熱を感じた」と大分のラグビー熱の高さを称えた。県出身で日本代表に選出されている伊藤平一郎(ヤマハ)は、「自分たちの形で勝利できた。ワールドカップの舞台となるこの会場でプレーできるようにアピールしたい」と凱旋試合の勝利を喜び、今後の活躍を誓った。
試合当日は、多彩なイベントや飲食が楽しめるファンゾーンが設置され、家族連れらがラグビー体験をするなど、観戦初心者も楽しい時間を過ごした。2019年のワールドカップに向け、ファン層は確実に増えている。
チームの勝利に貢献した県出身の伊藤選手(ヤマハ)
(柚野真也)