バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ大分 伊藤監督が本領発揮、3連勝で3位に浮上
九州ダービーを制して3連勝。バサジィ大分が暫定3位に浮上した。13日にあったホームでの北九州戦は、後半3分に3点リードとなったが苦戦した。後がない相手の勢いに押され、守備の時間が長くなる。1点差まで追い上げられたが、GK矢沢大夢を中心に気迫の守備で逃げ切った。伊藤雅範監督は、「これがダービー。互いに負けたくない気持ちがプレーに出たが、うちは前回(2節)の対戦で負けていて、同じ相手に2度も負けることを許されなかった」と、勝ちたい思いが相手より勝ったことを勝因とした。
リーグ戦は3カ月の中断期間を経て、10月から再開した。直後の3試合は未勝利で終わったが、試合内容は決して悪くなかった。立ちあがりは悪かったが、尻上がりに調子を上げていた。「今はタテに速いフットサルができ、(攻守の切り替えが速い)トランジションゲームに持ち込めている」と吉田圭吾。試合開始から守備強度を高め、自分たちの主導でゲームを展開している。
北九州戦で2得点を決めた小門勇太(左)
攻撃においては森村孝志の8得点をトップに、芝野創太の6点、北九州戦で2得点を決めた小門勇太も6点となり、1人のスコアラーに頼ることなく、どこからでも得点できる。さらに、個々のプレースタイルが異なるため、攻撃パターンも増えている。小門が「シュートで終わることを意識している」と話すように、得点への意欲が高く、ゴールに向かう姿勢が攻撃のリズムを生み出している。
北九州戦はカウンターからGKと1対1になる決定機を再三生み出したが、詰めの甘さから4点目が遠かった。それでも伊藤監督が気にする様子はない。「(追加点を)取れなくても勝つのがウチのチーム。リードを守り切った」。しゃにむに追加点を奪いにいってカウンターで失点するよりは、リスクマネジメントを徹底して時間をうまく使って逃げ切る戦術を選んだ。ここに、「相手より1点多く取ればいい」という伊藤監督の哲学がある。勝利こそ全てと言い切るリアリスト(現実主義)の下、チームは勝ち星を積み重ねている。
守備強度が上がり、チームの調子は上向いている
(柚野真也)