
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
30日から始まる全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県予選企画。第2回は男子の優勝候補の一つ、別府鶴見丘。3年ぶりの晴れ舞台に向けて、着々と準備は整っている。
王者として不動の地位を築いていた別府鶴見丘が、2年連続で春の高校バレー出場を逃している。コロナ禍で開催された昨年の県高校総体では宿敵・大分工業を破ったものの新型コロナウイルスの影響で全国への道は閉ざされていた。成功体験を持たないまま春の高校バレー県予選を迎えるが、全国舞台から遠ざかっている3年生にとって最後となる今大会に懸ける思いは強い。掲げるスローガンは「スタイル革命」。そこには現チームにとってベストなスタイルの構築、過去のスタイルからの脱却、王者奪還、強い鶴見丘を取り戻すなど、様々な思いが込められている。「春高予選はその全ての集大成となる。そうしなければならない」。舞裕太監督の思いは選手全員に共通するものだ。
チームを牽引(けんいん)するのは3年生。1年時に先輩の活躍を目の当たりにし、2年時はコロナ禍で不完全燃焼、3年生になってからは、これまで県内の主要大会で頂点には届かなかった。今大会は自分たちの代で結果を残す最後のチャンスとなる。勝利への渇望はどのチームより強い。
そんな3年生の中心で大きな存在感を放つのはキャプテンの河野裕次郎。舞監督に「河野がどこまで暴れられるかに勝敗が懸かっている」と言わしめる、名実ともにチームの大黒柱。本人もその立場を自覚しており、「誰よりも声を出し、プレーでもチームを鼓舞するのが自分の役目」と前を見据える。
大会に向けて士気が高まる選手たち
県高校総体以降、「考えること」と「思いを伝えること」を課題に上げ、練習に取り組んできた。自分の頭で考え、導き出した思いを伝え合う。それにより、やるべきことが明確になってミスも減少。チームは大きく成長したという。「まだ100パーセントではないが着実に前進している」と舞監督。河野も「コロナで練習試合ができない間も、自分たちに足りないものを見つけ、質を上げる練習を考えてきた。体以上に頭を動かした」と自信をのぞかせる。絶対エース・安部竜乃介(3年)の攻撃力が注目されがちだが、サーブもブロックもディグ(スパイクレシーブ)も精度を上げている。各選手の“伸び”は言わずもがなだ。
熱気がこもる体育館には頻繁に舞監督の叱咤(しった)の声が響く。選手たちはその言葉一つ一つに向き合い、問い掛けに“考えて”答え、導き出した“思い”を口にする。ストイックな練習は覚悟の現れだ。絶対に負けられない戦いにチーム一丸となって挑む。
2年ぶりの春の高校バレー出場を目指す
(甲斐理恵)
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