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三好ヴァイセアドラー 小川貴史監督が退任、そして、これからのバレー人生を語る

三好ヴァイセアドラー 小川貴史監督が退任、そして、これからのバレー人生を語る

 2014年から7シーズン、大分三好ヴァイセアドラーの監督として指揮した小川貴史氏が退任した。今後はチームの強化や渉外など全体を統括するチームディレクター(T D)として支える。監督退任に至った経緯、国内最高峰のVリーグ1部(V1)に参戦するチーム強化について語った。

 

Q:監督退任の経緯を教えてください

 大分三好の監督として、チャレンジリーグ(現V2リーグ)が4シーズン、V1で3シーズン、計7シーズンを指揮してきました。チャレンジリーグでは優勝も経験しましたが、V1を戦うには監督としてのアイデアや経験、判断が必要だと感じていました。これまでコーチと試行錯誤しながらなんとか戦ってきましたが、結果としてシーズン通して3、4勝しかできず、そこを抜け出せずにいました。昨シーズンは連敗が続いて、V2との入れ替え戦で降格は免れましたが、新しいチャレンジが必要と痛感しました。これまで積み上げてきたものを大事にしてきましたが、選手だけでなく、チームとして生まれ変わるためには新しい流れが必要と思い、監督退任を決意しました。

 

Q:チームの生え抜き選手として大分三好一筋のバレーボール人生でしたが、今の心境は?

 大分三好に入団してからずっと走り続けた。キャプテンをして、選手兼任コーチをして、監督も経験させてもらいました。実はこれまで選手引退という区切りもなく、選手登録のまま監督をして、3シーズン過ぎた頃に選手登録を外して監督専任になった。ここで一区切りつけたかったとの思いがありました。これからはいろんな角度からバレーを見たい。「もう辞めた」ではなく、勉強の始まりだと思っています。正直、現場を離れる寂しさはあり、辞めたくなかった。苦労の方が断然多かったのですが、現場で戦う魅力がありました。ただ、それは僕の主観であって、大分三好は上を目指してほしい。チームが成長するためには新監督誕生がポイントの一つになると思っています。

 

7季チームを指揮した小川貴史監督

 

Q:TDに就任しましたが、これからどのようにしてチームに関わっていくのですか?

 ありがたいことに新しいチャレンジの場を与えてもらいました。チームは結果も必要ですが、魅力あるチーム、愛されるチームになるためにどんなことが必要なのか突き詰めたいと思っています。自分たちだけの力でトップリーグを戦い抜けるわけではない。応援してくれるファンやスポンサーの方々との関わり方を、もう一度勉強したいです。強化としては、大学関係のスカウトはもちろんですが、強豪チームがどんなチームづくりをしているのか、どんなコンセプトでやっているのか勉強して、しっかりとしたビジョンに沿って強化できればと思っています。

 

Q:ムレイ・ポール新監督、そして選手に求めることは?

 新監督は2012年から練習生として一緒にプレーをしたし、2014年からはコーチとしてチームに帯同していたので、大分三好というチームを熟知している。余計な口出しをせず、サポートできればと思っています。選手には、目標を設定して、達成するために必要なことを自分で考え、成し遂げてほしいです。昨シーズンの入れ替え戦で大きく成長した選手は多く、これまで出場機会の少なかった選手にとっては、監督交代は大きなチャンスです。チーム内の競争が高まれば、レベルアップするはずです。

 

Q:ご自身の今後のビジョンは?

 まずは大分三好を強く、魅力あるチームにするために、今の立場でできることを精一杯やるだけです。バレーだけでなく、サッカーやフットサル、野球、自転車など、大分にはスポーツを楽しめる環境があるのでそれぞれの楽しさやチーム運営、強化を学び、世界観を広げたい。そして、いつかくるチャンスのために勉強したいという気持ちが強いです。

 

 

 今後はチームディレクターとして大分三好を支える

 

 

(柚野真也)