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7/3 THU 2025

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トリニータ リーグ再開に向けてコンディションを整え、戦術も浸透

トリニータ リーグ再開に向けてコンディションを整え、戦術も浸透

 3週間の中断期間を経て、リーグ戦が再開する。大分トリニータは現在3勝3分10敗で暫定19位。中断期間中は「コンディションを整えて、戦術を合わせ、攻守の切り替えや球際などベーシックとなる部分の質、スピードを徹底した」と片野坂知宏監督。練習では、選手間でプレー強度を求める声が出るようになり、札幌戦から始まる3連戦に向けてチームの状態はよさそうだ。

 

 中断期間中にあった天皇杯では、これまで出場機会の少なかった選手を積極的に起用し、チームの底上げを図った。片野坂監督は「(格下相手に)厳しい試合となったが、選手は自分の役割を理解し、奮起してくれた」と手応えを感じた様子。大卒3年目の長谷川雄志や高沢優也が得点で存在感を示し、大卒ルーキーの井上健太は全得点に絡む活躍で猛アピール。先発メンバーがある程度固定されていた中、新しい力の台頭でチーム内競争が激しくなった。伊佐耕平は「いい感じでポジション争いができている」とチームに流れるポジティブな雰囲気を歓迎した。

 

球際などのプレー強度を求めた

 しかし、最大の課題である攻撃面は解消されていない。「フィニッシュの質、枠内に決める確率を高めたい」と片野坂監督は頭を抱える。攻撃の形としては、昨季と同様にサイドからのクロスが一つのパターンとしてある。これに加え、前線でターゲットとなる長沢駿からのこぼれ球を、町田也真人や小林成豪らシャドーの選手が回収して、コンビネーションで崩す形も見られるようになった。

 

 決定力不足。これは一朝一夕に改善できるものではないが、そこに一石投じる意味でも期待したいのが選手の補強だ。片野坂監督と強化部でリストアップは終わっており、あとは選手、クラブ間との交渉となる。どのポジションを最優先したいかとの問いに、片野坂監督は「やはり前線の選手がほしい」とつぶやいた。限られたチャンスをものにしていく決定力こそ、今、大分が欲しているピースである。

 

 チームは依然として厳しい状況にある。ここまで4得点であるが調子は上向きの長沢は「チームの状態は悪くはない。勝てば自信を持てるようになる」と話すように、一つの勝利が大きな意味を持つ。まずは1勝。これまでの敗戦の中でも、手応えを感じる試合もあった。迷いなく戦い続ければ、必ず道は開けてくるはずだ。

 

攻撃が課題と語った片野坂知宏監督

 

 

(柚野真也)