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大分工業高校 冨高廉真 インターハイ5位入賞も悔しさ残る。狙うは国体優勝のみ

大分工業高校 冨高廉真 インターハイ5位入賞も悔しさ残る。狙うは国体優勝のみ

 「悔しかったですね」。開口一番そう語ったのは、大分工業高校ウエイトリフティング部の冨高廉真(3年)だ。今夏の全国高校総体(南東北インターハイ)ではウエイトリフティング53㎏級で5位入賞を果たしたが、本人は納得していない。身長154㎝と小柄で細身、一見ウエイトリフティング選手には見えないが、鋼のような鍛え上げられた筋肉の持ち主である。

 

 3月に行われた全国高等学校ウエイトリフティング競技選抜大会では2位という結果を残し、インターハイでの優勝は十分射程圏内に入っていた。順風満帆に見えたが、試練が待ち構えていた。4月に両手首を痛め、それからはけがとの闘いだった。手首を守るためにストレッチを入念にしたり、手首周りの筋肉を鍛えたりするなど地道なリハビリの日々が続いた。手首が気になり、どうしても守りの姿勢になってしまう。それでも、県高校総体をスナッチ87、トータル192の大会新記録で優勝し、インターハイでも5位入賞という結果を残した。

 

全身バネのような身体を持つ冨高

 

鋼のような鍛え上げられた筋肉は練習のたまもの

 冨高は高校1年の8月までバスケットボール部に所属していた。当時ウエイトリフティング部の監督だった土居雅典監督(現・国東高校)から熱いラブコールを受けていたという。悩んでいたときに「ウエイトリフティングの方が全国を目指せる」というバスケットボール部の先輩の言葉もあり、ウエイトリフティングへ転向した。バスケットボールで培った身体能力に加え、土居前監督からは「今まで出会った中で最高のエース」と嬉しい称号をもらい練習での集中力は増した。

 

 ウエイトリフティングは自分自身との戦いだ。練習で手を抜こうと思えばいくらでも楽はできる。しかし冨高は「サボったらその分順位が下がる。逆に頑張ればそれだけ数字が出る」と決して自分を甘やかさない。取材時も、鏡の前に立ち何度もフォームの確認を繰り返していた。

 

 梶原誠監督は「冨高のベスト記録(スナッチ97、シャーク107)は全国トップレベル。インターハイでは調子が悪くても全国5位という結果を残している。国体では十分にチャンスはある」と大きな期待感を寄せる。冨高自身も「練習の時から試合を意識しながらやっている。国体では全国1位になりたい。自信はある」とはっきり答えた。手首の負傷を乗り越え、国体で優勝し有終の美を飾れるか。小さな体に大きな期待が寄せられる。

 

練習中はストイックだが、普段は後輩から慕われる優しい先輩

 

(緒方美香)