国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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自転車男子 ロードで全国7位、積み上げた練習成果を発揮した石井海斗(別府翔青2年)
「完走を狙っていた」。県内で開催された全国高校選抜自転車競技大会の男子個人ロードレースで7位入賞した石井海斗は、安堵(あんど)の表情を浮かべた。普段はオートレースが行われるオートポリスサーキット(1周4.674㌔)、平たんの少ないアップダウンが繰り返される難コースを18周走る。142人が出走し、完走したのは57人と過酷なレースでゼッケン2番(開催県から番号を振り分けられる)を付けた石井は「地元開催なので完走することは絶対条件だった。ゼッケンの重みを感じたけど無心で走れた」とプレッシャーを感じながらもゴールしたことを素直に喜んだ。
自転車との出会いは小学6年生の頃。パンク修理で駆けつけた自転車ショップで競技用自転車を見て一目ぼれ。自転車漫画で興味を持っていたが、実物の自転車を見て「乗ってみたい」と衝動に駆られ、競技を始める。中学を卒業するまでは週2回の練習、自転車部のある別府翔青に入学して本格的に練習を始めた。明珍多久雄監督は「コツコツと練習し、中・長距離の選手として自分の持ち味の登りを生かした走りができるようになった」と成長を見守ってきた。
絶妙な位置取りで入賞した石井海斗
順調に力を付けて、勝負の年と位置づけた今年最初の大きなレースに臨んだ。トラック競技のポイントレースでは得意なレース展開に持ち込めず予選敗退。「ショックだったけど気持ちを切り替えた。ポイントレースでは無駄足を使い、ゴール手前のスプリント勝負で負けた」と反省。ロードレースでは完走することを第一に考え、序盤ははやる気持ちを抑え、周りの走りに合わせた。脱落者が出始めた中盤以降は第2集団をキープ。「位置取りがうまく、集団の中で休みながら得意の登りで調整し、最後に自分から積極的に仕掛けたことが結果につながった」(明珍監督)。残り1周で勝負に出る。「実は自分が何位にいるかは分かってなかったけど、(第2)集団のトップでゴールしようと思った」と残り800㍍でスプリント勝負を仕掛ける。同じ集団の2人にゴール前で差し込まれたが、7位でフィニッシュ。石井は「最後の勝負で負けたのは悔しいが、結果には満足している」と振り返った。
大きな手応えと自信を付けた今大会。石井は「全国での自分の力が分かった。練習を続ければ、まだまだ上を目指せる」と明確な目標ができた。6月の県高校総体で優勝し、九州大会、全国高校総体での表彰台を目指す。「必要なことは継続。毎日の練習、体幹トレーニングを続け、自分でレース展開を考え、結果を残したい」とすでに視線は先にある。
次の目標は九州・全国大会での表彰台
(柚野真也)