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空手道男子 圧倒的な強さで全国切符をつかんだ柳ケ浦が日本一に挑戦する

空手道男子 圧倒的な強さで全国切符をつかんだ柳ケ浦が日本一に挑戦する

 空手道の県高校新人大会では男子団体組手で優勝、個人組手で5階級全制覇した柳ケ浦が圧倒的な強さを見せつけた。勢いそのままに、続く全九州高校空手道新人大会でも団体組手で見事優勝し、全国高校選抜大会出場を決めた。

 

 1年生3人、2年生6人の男子部員は全員が寮生。日本一になるために親元を離れて柳ケ浦にやってきた。半数の選手が中学までは目立つ実績がなかったが、藤沢武之監督が「限界が見えないチーム」と評するように、個々の潜在能力は高い。全九州空手道新人大会の個人組手76㌔超級で初優勝を経験した隈部典史(2年)を筆頭に、高校入学後から着実に力を伸ばしている選手は多い。

 

 「日本一以外考えていない。県大会も、九州大会も決して満足できる内容ではなかった」と話す藤沢監督は、どうすれば日本一になれるか常に模索。4年前からは日本一を幾度も経験した高校と定期的に練習試合を行っている。その高校がベスト8から日本一に駆け上がる過程を見て、監督としても大きな刺激を受けたという。

 

日頃の鍛錬により高校から力を付けた選手は多い

 

 強豪校ひしめくパートの組み合わせに入った全国高校選抜大会では、常にチャレンジャーとして戦うつもりだ。「正攻法でやっても勝てない。相手の嫌がる、奇をてらう戦い方が必要。うちの場合はそれが足技」と藤沢監督。そのためのフィジカル、特に下半身の強化に力を注いでいる。

 

 試合開始からの1分半は、考え続ける力も重要になる。「全国レベルになると、単調な攻撃は通用しない。相手を見てアドリブが出ないようなら勝てない。選手たちには試合中はずっと考え続けろと言い続けている」。練習も最初の1時間はあえて自由に稽古させ、選手に自ら考え、動くことを癖付けているという。

 この “考えること”の重要性は選手だけでなく、監督にも当てはまる。空手は試合ごとに選手のオーダー変更ができるため、相手チームを研究し、オーダーを予測し、誰を誰にぶつけるか考え抜く。まるでチェスや将棋のような知能戦だという。全てが合致した時、それは大きな力となる。

 

考える力で勝利を目指す柳ケ浦

 

 

(甲斐理恵)