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杵築高校・大分ダイビングクラブ・江藤真透 課題をクリアし、コツコツと着実に歩む

杵築高校・大分ダイビングクラブ・江藤真透 課題をクリアし、コツコツと着実に歩む

 

 高校生となりジュニアからシニアにカテゴリーが上がった。競う選手も変われば、会場の雰囲気も異なる。全九州高校水泳競技大会の男子飛び板飛び込みで優勝し、インターハイに出場した江藤真透(1年)は、「これまでと会場の雰囲気が違った。誰がどんな演技をするのか、完成度はどんなものなのか。すべてが貴重な体験だった」と振り返った。レベルの差を感じ、インターハイでは思うような結果を残せず悔しい思いをしたが、気持ちは既に来月の国体に向かっている。中学3年の時に出場した国体では7位入賞し、今年は昨年以上の成績が期待されている。

 

 江藤の持ち味は“ノースプラッシュ”と呼ばれる水しぶきをあげない入水だ。「演技には空中での回転やひねり、ポージングなど多くの種類があるが、着水するときも評価の対象となる。江藤はフォームがキレイなので入水技術が長けている」と茶木康寛監督。高度な技を数多くはできないが、基本となる入水に安定感があるため、採点競技において高い評価点を計算できる。

 

 ただ、同じ年代の選手は世界を舞台に戦っている選手が多く、江藤自身が今後の大会で上位を目指すためには、高度な技術の習得が必須条件だ。「難易度の高い演技に挑戦した。全国上位の選手は自分より回転がひとつ多かった。演技の構成を考える必要がある」と、国体に向けて課題克服に余念がない。

 

 江藤はこれまでコツコツと努力を積み上げてきた自負がある。大分ダイビングクラブの体験教室で興味を持ち、小学4年生から競技生活を始めた。同クラブ史上一番の恐がりだった江藤は、最大10mの高さから飛び込むことができず、水着を着たまま練習を抜け出し帰宅したこともある。それでもきっと飛べるという指導者の熱心な教えに応え、恐怖を克服した。今では「他の競技にはない爽快感がたまらない。陸、空中、水中と3つの空間を楽しめるのが飛び込みの魅力」と話す。

 

 小学6年生の時に初めて出場した全国大会で入賞したことが転機となった。自分に自信がつき、その後はノースプラッシュを磨き、全国大会出場の常連者となった。練習場が屋外のため、1年の半分しか実戦練習できる機会がない。それでも「短い練習でどれだけ一本一本を集中して飛ぶのか。練習量を言い訳にしたくないし、今できることをやるだけ」とポジティブだ。国体ではチーム大分の得点源として、飛躍が期待される。「一本一本を真剣に飛ぶだけです」と江藤。その成長は現在進行形だ。

 

 

 

(柚野真也)