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全国高校駅伝 男子 大分東明が迫った一瞬の入賞圏と現実差 【大分県】

全国高校駅伝 男子 大分東明が迫った一瞬の入賞圏と現実差 【大分県】

 冬の都大路は、例年以上の高速レースとなった。男子第76回全国高校駅伝は7区間42・195キロで争われ、学法石川(福島)が2時間0分36秒の大会新記録で初優勝。高速レースが展開される中、大分東明は3区まで10位台につける健闘を見せたが、中盤以降は高速レースの波にのみ込まれ、26位(2時間6分4秒)でゴールした。

 レース序盤、大分東明は確かな存在感を示した。1区を任されたのはエースの豊川滉大(3年)。全国でも指折りのスピードを誇る選手がひしめく最激戦区で、豊川は冷静だった。持ちタイムでは下位に位置しながらも、強豪選手の背中をたくみに使い、自身のペースを崩さない。18位でタスキをつなぐと、2区もスピードを生かした走りで4人抜き。4区途中までは10位台を維持し、目標としていた10位台が現実味を帯びた瞬間もあった。

エースが集まる1区で18位となった豊川

 奥村隆太監督は「1区、2区は理想通り。想定以上の入りだった」と振り返る。ハイペース必至の展開を見越し、1区は抑えて後半勝負。そのシナリオは的中した。県予選後から2区候補の選手に施したスピード特化の調整も序盤の好位置につながった。

 しかし、全国の壁はやはり厚かった。大きく崩れる区間はなく、全員が最低限の役割は果たした。ただ、入賞争いに踏みとどまるには流れを引き戻し、順位を押し上げる「ポイントを取れる選手」がもう一段階必要だった。3区中盤以降、わずかな遅れが積み重なり、順位は静かに後退していく。最終的にたどり着いたのは26位。奥村隆太監督は「一瞬でも入賞争いが見えたからこそ、離れてしまった悔しさがある」と振り返り、全国との差と向き合う現実をかみしめるように唇をかんだ。

悔しさと手応えを口にした奥村監督

 最終7区を走ったのは1年生の徳永昇生。初めての都大路でチームの最終順位を背負う区間だった。下りの多いコースに苦しみ、思うようなスピードを出せず順位を落とした。「完全に力不足」。レース後、徳永はそう言い切った。それでも、3年生が走りでつくってくれた流れ、タスキに込められた思いは確かに受け取った。「この経験を来年、再来年につなげたい」と視線はすでに前を向いている。

 悔しさと手応えが交錯した都大路。序盤に示した可能性と、全国との差。その両方を胸に刻み、大分東明はまた次の冬へ走り出す。


(柚野真也)

大会結果