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冬の高校スポーツ全国大会 バスケットボール男子 柳ケ浦が再起動 冬の頂点へ挑む 【大分県】

冬の高校スポーツ全国大会 バスケットボール男子 柳ケ浦が再起動 冬の頂点へ挑む 【大分県】

 2年連続5度目の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に挑む柳ケ浦の仕上がりが順調だ。全国の強豪と戦うU18日清食品ブロックリーグでは7戦全勝。この経験は、選手一人ひとりに「自分たちは全国で戦える」という実感を芽生えさせた。その上で頼もしいのが、療養から復帰した中村誠監督の存在である。今週から再びチームの指揮を執る指揮官は、綿密な分析と徹底した準備を持ち味とする指導者だ。

ウインターカップに向けて仕上がりは順調

 療養中の1カ月半、中村監督は全国高校総体からウインターカップ予選まで、強豪校の映像を繰り返し見続けた。「ベスト8に入るであろうチームの試合は何度も見た」。そう語る表情には、勝負師としての研ぎ澄まされた静かな闘志がにじむ。組み合わせが決まってからは1回戦の八千代(千葉)から3回戦の可能性カードまで、すでに全てをシミュレーション済み。停滞する時間帯にどうテコ入れするか、タイムアウトのタイミングはどこか。細部まで準備を重ねてきた。

 離れていたからこそ見えたものもある。「自チームも他チームも冷静に見ることができた」と中村監督は振り返る。日常から一歩距離を置いたことで、これまで気づかなかった課題や、自分たちの強みを客観的に整理できたという。その視点が、戦術の再構築や役割分担の明確化につながり、選手たちへの伝達もより具体的で分かりやすいものになった。すでに強豪校のプレースタイルや主力の特徴は頭に入っており、試合展開のパターンも細かく想定済みだ。中村監督がやるべきことは、選手に「どこで勝負し、どう流れをつかむか」をシンプルに示すことだけだ。その準備は整っている。

 選手もまた、全国へ向けて気持ちは固まっている。キャプテンの田場瑶大(3年)は昨年の悔しさを忘れていない。「初戦から油断せず、必ずメインコート(準々決勝の舞台)に立つ」。リバウンドと守備で存在感を示す儀間クリスチャン(3年)は「準々決勝で鳥取城北を倒したい」と目標をはっきり口にする。今夏の全国高校総体で敗れた相手。借りを返す舞台は、すでに頭の中に描かれている。

3年生が軸となり、チームを盛り上げる

 ウインターカップ県予選後、柳ケ浦は先発だけでなくベンチメンバーにも積極的に出場時間を与え、総合力の底上げを図った。誰が出ても戦力が落ちないチームづくりは、全国を勝ち進むうえで欠かせない。中村監督の緻密な準備と、選手たちの一体感が噛み合い、ベスト8は現実的な目標となった。そして、その先には、日本一を狙う戦いが待っている。準備は万全だ。あとは大舞台で実力を出し切るだけだ。


(柚野真也)

大会結果

2023年度