OITA SPORTS

11/29 SAT 2025

supported by

聖晃産業グループ

カルチャー カルチャー

NEW!

競技かるた 大分上野丘 札が舞う熱気 一音に懸ける青春 【大分県】

競技かるた 大分上野丘 札が舞う熱気 一音に懸ける青春 【大分県】

  大分県高校総合文化祭の百人一首かるた専門部のデモンストレーションに登場したのは、大分上野丘高校の競技かるた同好会だ。畳を打つ音、札を払う姿、その光景はまるで漫画「ちはやふる」の世界をそのまま現実に引き寄せたかのような迫力があった。周囲からは「こんなに速いのか」と驚きの声が漏れ、競技としての緊張感が流れた。

百人一首かるたをわかりやすく説明した同好会員たち

 同好会は週4日の練習を基本とし、試合形式の実践を重ねながら基礎力を磨いている。さらに地域のかるた会にも積極的に参加し、経験値を積み重ねているという。顧問の佐藤万佑子教諭は「とにかく場数を踏むことが成長につながる」と語り、学校内外での競争が部の文化として根づいていることを強調する。

 近年の成果も確かなものだ。九州総合文化祭の県予選では同校から2人が県代表に選出され、12月の九州総合文化祭への出場権をつかんだ。また、「第34回全国競技かるた広島大会」では藤本一花(1年)が3位に入賞。藤本は「ちはやふる」をきっかけに入部したというが、競技に触れてからは憧れを実感へと変えてきた。

 「読手の声を聞き分けるのは難しいけれど楽しい。スピードはないが正確性には自信がある」と語る姿は、挑戦者のまなざしそのものだ。仲間と切磋琢磨しながら「昔から続くかるたを競技として楽しめることがすてき」とも語り、その言葉には競技へのまっすぐな愛情がにじむ。

競技かるた全国高校選手権の出場を目指す

 掲げる次の目標は明確である。来年度の競技かるた全国高校選手権の団体戦に出場することだ。県内では強豪・中津南高校が立ちはだかるが、佐藤教諭は「そこに打ち勝ちたい。ぜひ実現してほしい」と期待を寄せる。伝統校の壁を越えるためには、一枚一枚の札、一瞬の判断、その積み重ねが必要になる。だが、広島大会3位の藤本をはじめ、経験を手にした1年生が台頭してきているのは、目標を現実に近づけるだけの熱量がある。

 畳に響く乾いた札の音。その裏側には、何百枚もの札を読み込み、耳と指先を研ぎ澄ませてきた日々がある。静と動が交差する競技かるたの世界で、大分上野丘の挑戦はこれからが本番だ。


(柚野真也)