全国高校選抜大会 ハンドボール男子 強豪に善戦した大分雄城台、敗退の中で得た大きな収穫 【大分県】
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ハンドボール男子 大分雄城台 NTA合宿選出 日本一へ駆ける1年生トリオ 【大分県】
ハンドボール男子の県高校新人大会で2年ぶり13度目の優勝を果たした大分雄城台。その勢いを象徴する出来事が、1年生3人の快挙だ。合沢蒼風、坂元晴、原口昊士。全国の有望株が集まるナショナル・トレーニング・アカデミー(NTA)の第3回育成合宿に選出され、25日から3日間、トップレベルの環境で研さんを積む。
新チームの船出となった新人大会で、1年生とは思えない躍動を見せた合沢は、「想定外だった」と率直に驚きを口にする。中学時代にも世代別日本代表に選ばれた経験はあるが、高校に入り再び評価されたことには特別な意味がある。「全国から集まる選手とプレーすることで、コンビネーションの合わせ方やシュートコースを考える場面が増える。自分の速いフェイントとロングシュートがどこまで通用するのか試したい」と意気込む。
一方、左利きのバックプレーヤーとして高い期待を受ける坂元は、けがの影響で新人戦はスタンドから仲間を支えた。「出られなかった悔しさはある。でも、近くで相手の攻め方を見られたことで得たものも多い」と前向きに受け止める。世代別日本代表のスウェーデン遠征も経験した坂元は、「海外はフィジカルの強さがまったく違う。あの経験をチームに還元したい」と語り、代表クラスの環境で磨いた力強いロングシュートとカットインを武器に、復帰後の飛躍を誓う。
そして、器用さが光る原口。右バックと左サイドの二つのポジションをこなし、1年生ながら戦術理解度の高さを買われた。「久しぶりの選出だったので驚いた。でも、自分がどこまで通用するか知りたい気持ちも大きい」。新人大会では緊張から本来の力を出し切れず、「悔しさが残った」と言うが、その経験がさらなる成長へのエネルギーになっている。「元気のあるプレーで流れを変えたい。サイドでは全部シュートを決める。バックでは力強いプレーでチームを動かしたい」と言葉に力を込めた。

1年生3人のNTA選出について、平井徳尚監督はこう評価する。「3人とも武器が明確で、素直に吸収できる選手たち。全国で勝つために必要な伸びしろの大きさを感じる。NTAで得た刺激や成長が、必ずチームにもプラスになる」
競争力が高まったことで、上級生たちの意識にも変化が出ているという。「1年がいい分、2年生が“負けたくない”と必死に食らいつく。チームとして理想的な状態になりつつある」と監督は語る。
全国高校選抜大会の県予選を控え、黄金世代の到来を感じさせる大分雄城台。3人の1年生が全国レベルで何を吸収し、どんな成長を見せるのか。期待は高まる。
(柚野真也)