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春の高校バレー県予選 頂点を知る者の覚悟 東九州龍谷が26連覇 【大分県】

春の高校バレー県予選 頂点を知る者の覚悟 東九州龍谷が26連覇 【大分県】

第78回全日本バレーボール高校選手権県代表決定戦
11月2日 クラサス武道スポーツセンター
女子準決勝
東九州龍谷3(25―16、25―15、25―19)0大分商業

 高校バレーボールの最高峰となる春の高校バレー。その出場権をかけた県代表決定戦の女子決勝は、東九州龍谷(東龍)が大分商業を3―0のストレートで下し、26年連続41回目の栄冠をつかんだ。スコア通り、終始主導権を握り、攻守に隙のない王者の戦いぶりだった。

 立ち上がりから流れをつかんだのは東龍だった。エースの忠願寺莉桜(2年)が万全ではない中で、最上級生がチームを支えた。キャプテンの藤崎愛梨(3年)は相手のフォーメーションを読み、ブロックの位置を見極めながら強打とフェイントを織り交ぜ、多彩なスパイクで得点を重ねる。第2セット中盤、13―11で迎えた場面では大分商業の勢いを止めるべく竹内誠二監督がタイムアウトを要求。「楽な試合はない」とチームを引き締め、再びリズムを取り戻した。

 藤崎は「相手の流れになりそうな場面で、引き止めることに集中した。前衛のときは“全部ボールを持って来い”と声をかけ、後衛では次の展開を意識して仲間に伝えた」と振り返る。表情が硬くなりがちな局面でも「笑顔で、楽しもう」と声をかけ合い、緊張を力に変えた。

ポイントゲッターとなった藤崎

 攻守両面で安定感をもたらしたのは大石はるか(3年)だ。ブロックで相手エースの勢いを止め、守備ではや源田真央(3年)が粘り強く拾って相手に隙を与えなかった。「自分のプレーは満足できなかったが、チームとしてやり切れた」と語る大石の言葉には、最上級生としての責任感がにじむ。

 竹内監督は「県大会は“勝って当たり前”という見られ方をする。その重圧の中で、目の前の一球に丁寧に向き合えたことが結果につながった」と語る。滋賀国スポの準決勝での逆転負けが、選手たちに「1点の重み」を教えたという。「あの経験が、勝負どころで崩れないチームに変えた」と竹内監督は手応えを口にした。

 第3セットも一時同点になる場面があったが、藤崎が冷静に立て直した。3枚ブロックを駆使し、相手エースを封じると、最後は藤崎がブロックで勝負を決めた。竹内監督は「相手の力を認めつつ、自分たちのミスを減らせたことが勝因」と振り返る。全国には突出したチームが少ない今年、東龍にとっては再び頂点を狙う好機だ。竹内監督は「過去ではなく、今の一球に集中する」と言い切る。キャプテン藤崎は「この大会が高校生活最後。日本一になる最後のチャンス」と覚悟を語った。

3枚ブロックが功を奏した


(柚野真也)