
ウインターカップへの道 バスケットボール女子(3) 藤蔭スピード革命 平川体制1年目の証明 【大分県】
バスケ
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全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選を目前に、今大会の注目選手を紹介するとともに、「いま気になる選手」を聞いた。そこにはライバルへの敬意、負けられない思いが交錯していた。コートの上で火花を散らす選手たちは、互いに認め合うことで強くなる。注目の選手たちが語る“もうひとりの注目選手”。その言葉の先に、今大会のドラマが見えてくる。
古謝脩斗(柳ケ浦3年)
2007年6月11日生まれ、163cm、57kg。古堅中出身(沖縄県)。ポジションはポイントガード
今夏の全国高校総体で、誰よりも悔しさを味わった。優勝した鳥取城北との一戦、けがの影響で第1クオーター(Q)はベンチスタート。わずか10分で22点差をつけられた。第2Q開始直後、監督に志願してコートに立つと、チームの空気が一変。鋭いドライブと的確なパスで流れを引き戻し、5点差まで詰め寄った。だが、あと一歩届かなかった。「自分が最初から出ていれば」と悔しさをかみしめる。その痛みが、いまの原動力である。勝利への飢えを胸に、エースガードとして仲間の持ち味を引き出し、試合を支配する。クイックネスと巧みなボールハンドリング、独特のリズムを刻むドリブルが最大の武器である。
気になる選手
スタークス・ジュリアン・リトルジョー(別府溝部学園3年)
今年の別府溝部学園は最強レベル。全国の強豪校にも勝っている。そのチームのエースであり、得点源なのがジュリアン。複数でマークしても得点を取ってくる。アイツを抑えないと勝てない。ボールを持たせず、15点に抑えたい。
スタークス・ジュリアン・リトルジョー(別府溝部学園3年)
2007年11月20日生まれ、183cm、74kg。大和中出身(佐賀県)、前所属チームは佐賀バルナーズU―15。ポジションはスモールフォワード
県内随一のスコアラー。その異名に違わぬ圧倒的な得点力を誇る。高い跳躍力と瞬発力を武器に、アウトサイドからのシュートも、切れ味鋭いドライブも自在に繰り出す。1試合で50点を奪うことも珍しくない。まさに攻撃に特化した“オフェンスの鬼”である。だからこそ相手チームは、常にフェイスガード(ボールを持たせないように、相手の顔の前に自分の顔を置くようにぴったりとマークする守り方)で徹底マークを敷く。ボールを持たせまいと複数人で囲い込むが、それでも振り切り、リングへ突き進む。「どんなにマークされても、絶対に得点する自信がある」と言い切るその言葉には、スコアラーとしての誇りと覚悟がにじむ。
気になる選手
誰もいない
唯一無二の選手を目指している。だからこそ、誰にも負けない。特に柳ケ浦には昨年からずっと負けているので、絶対に勝たなければいけない。ウインターカップに出場するのは俺らだ。負けるはずがない。
甲斐翔大(大分舞鶴3年)
2008年1月12日生まれ、176cm、72kg。明豊中出身(別府市)。ポジションはスモールフォワード
チームのキャプテンとして仲間をまとめ、精神的支柱となる存在。1年生のころからコートに立ち続け、得点力と高いシュート成功率でチームをけん引してきた。勝負どころで放つ一投には、会場の空気を変える力がある。池田剛監督は「メンタルの成長とともに、キャプテンとして頼もしい選手になった。フェイスガードでつかれると思うが、それを上回る得点力がある」と信頼を寄せる。本人も「全国大会に出る最後のチャンス。1点でも上回ればいい。最後まで諦めずに食らいつく」と語る。冷静さの中に燃える闘志を秘め、勝負の瞬間にこそ輝きを放つシューターである。
気になる選手
スタークス・ジュリアン・リトルジョー(別府溝部学園3年)
身体能力が高く、得点力の高い選手だが、フィジカルでは自分の方が優っている。徹底してマークし、最小限の失点に抑えたい。自分たちは失うものがない。全力で戦い抜くだけ。その後に結果がついてくる。準決勝で対戦するのが楽しみ。
(柚野真也)
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