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トリニータ 残り8試合 結果にこだわり、スタイルの成熟目指す

トリニータ 残り8試合 結果にこだわり、スタイルの成熟目指す

 各チームの消化試合数にばらつきはあるが、大分トリニータは現在26試合を終えて9勝6分11敗、勝点33で暫定12位。前節は柏レイソルが新型コロナウイルス感染症検査で陽性確認されたことで試合が延期になり、2週間余りの試合間隔が空いた。好調を維持していただけに試合をこなしたかったところだが、片野坂知宏監督は「いつ我々の身にも起こりうるかもしれない。この状況はどうすることもできない。試合期間が延びたことは準備や体力回復のメリットもあるので、そこにフォーカスしたい」とポジティブだ。

 

 今季の大分は好不調の波があったが、その要因のひとつがフィジカルコンディションだった。最後尾のG Kからパスをつなぐスタイルのため、パスを受けるための動き出しやパスのテンポが上がらなければ躍動しない。それは守備においても同じで、前線からの守備強度がなければ、ずるずると後退する傾向があった。試合のなかった期間は体のメンテナンス期間として有効に使い、戦術においては「細かいところまで要求し、はっきりと伝えた」(片野坂監督)。

 

 鈴木義宜を中心とした守備ラインは安定し、前線には得点に絡める選手もいる。攻守のメリハリをさらに明確にしたことで、チーム全員の意思統一をして迷いなくプレーすることができる。鈴木は「狙いを持ってプレーできているからこそポジティブなプレーが出ているが、結果がついてこその戦術であり、完成度だと思う。試合間隔が空きリフレッシュできたが、試合ではフワッとならないように試合の入り方に気をつけたい」と話す。

 

「結果がついてこそ戦術」と話す鈴木義宜

 

 首位を独走する川崎から上位陣との連戦が続き、最終戦まで過密スケジュールとなる。片野坂監督は「終盤戦になっても目の前の試合のためにいい準備をして力を出し切る。大味な試合はしたくない。トリニータスタイルを表現したい」と話す。今季の目標である6位にたどり着く特効薬のようなものはないが、最近は前線からの守備がはまれば、試合の主導権を握って連係を生かした攻撃を見せている。

 

 来季は今季よりリーグ戦が4試合増え、4チームが降格することが決まった。シーズン終盤に差し掛かり、監督人事や選手の去就など来季に向けた動きも見えてくる。西山哲平GMは「現体制が適切。停滞感はなく、マンネリもない」と継続路線を示唆し、「ここ数年は10名ほどの選手を入れ替えたが、今年はようやくJ1仕様となった。補強は最小限のピンポイントになる」と明かす。残り試合は来季につながるスタイルを成熟させるほかになし。

 

対戦相手によって異なる狙いを落とし込む片野坂監督

 

 

(柚野真也)