OITA SPORTS

10/20 MON 2025

supported by

大分ビル管理

バスケ バスケ

ウインターカップへの道 バスケットボール男子(4) 大分舞鶴の誇り再び 全国への道を拓く【大分県】

ウインターカップへの道 バスケットボール男子(4) 大分舞鶴の誇り再び 全国への道を拓く【大分県】

 「ウインターカップ」として行われる「第78回全国高校バスケットボール選手権」の県予選。男子は39校が出場し、今月25日に4回戦、26日に準々決勝、準決勝、11月3日にクラサス武道スポーツセンターで決勝がある。
 県内の主要大会(県高校新人大会、県高校総体、ウインターカップ県予選)の結果を基に、準々決勝から第1〜4シードが登場する。今特集ではシード4校を紹介する。第4回は常勝の名を誇り、再び全国を目指す大分舞鶴。

 かつて「常勝軍団」と呼ばれた大分舞鶴が、ウインターカップ県予選で再起をかける。2018年の全国高校総体を最後に、全国の舞台から遠ざかって久しい。県内では留学生を擁する私学の勢いが増し、ここ数年は後塵を拝してきた。それでも、池田剛監督は静かに闘志を燃やす。「奇策はないが、秘策はある」。長い歴史を誇る名門のプライドが、再び灯り始めている。

 この夏、チームは基礎の徹底とメンタル強化に取り組んだ。新戦力では1年生の合庭遙希が急成長を遂げた。182センチの体に強靱(きょうじん)なフィジカルと反射的なリバウンドセンスを備え、チームに活気をもたらす存在だ。加えて、主力である3年生の甲斐翔大、児玉光の成長がチームを押し上げた。池田監督は「甲斐は自分に厳しく、練習でも一切手を抜かない。歴代キャプテンの中でも一、二を争うリーダー。児玉は甲斐をサポートし、気が利く選手。場の雰囲気を感じ取って、声をかけることができる。いいコンビ」と信頼を寄せる。

 今季の大分舞鶴は、ムラのない堅実なチームだ。個の力よりも組織力で勝負するスタイルを貫き、どんな相手にも自分たちのリズムを崩さない。「選手がしっかり目標に向かっている」と池田監督は言う。一人一人が役割を理解し、全員が勝利への責任を共有している。特に守備の粘り強さは今季の象徴であり、相手の得点源を徹底して抑えることで試合をコントロールしてきた。派手さはないが、足を止めないディフェンスと、シュート力の精度が高い。

シュート力と組織力に磨きをかけた

 コートに立つ5人だけでなく、ベンチメンバーの声や支えも含めて「全員バスケ」を体現している点も特徴だ。主役は誰かではなく、「全員がチームの歯車として機能している」ことこそ、舞鶴らしさである。長年の伝統に裏打ちされた結束力が、再浮上への原動力となっている。

 最大の壁は準決勝での対戦が予想される別府溝部学園。県内屈指の高さとパワーを誇る相手に対し、ロースコアの展開に持ち込みたいと池田監督は見立てる。「甲斐が30点、児玉が20点。二人のシュートが当たれば勝機はある」。今年はフロントコート陣に代えの選手がそろい、ファウルトラブルを恐れずに戦えるのも強みだ。留学生のいる相手への対策も練りつつ、どんな展開にも対応できるシステムとメンバーで勝負に挑む。

 キャプテンの甲斐は、最後の大会を前に冷静に言葉を選んだ。「全国に行ける最後のチャンス。1点でいい、相手を上回る。そのために細部までこだわって準備する」。3年間積み上げてきたものを信じ、チーム全員が自分たちのバスケットを貫く。長く続いた挑戦の先に、どんな結果が待っているかは分からない。ただ、大分舞鶴は、やるべきことを淡々と積み重ねながら、次の一戦に臨むだけだ。

自分たちのバスケを貫くと語った甲斐

(柚野真也)

大会結果

2023年度