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ウインターカップへの道 バスケットボール女子(2) 中津北が原点回帰 粘りの魂が燃える【大分県】

ウインターカップへの道 バスケットボール女子(2) 中津北が原点回帰 粘りの魂が燃える【大分県】

 全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の大分県予選が、9月6日に幕を開けた。女子は27校が出場。3連覇を狙う明豊を追うのは、確かな成長を見せる大分。速攻が持ち味の藤蔭、シュート力を磨く中津北も頂点を見据えて力を蓄えてきた。準々決勝から登場するシード4校を軸に、白熱の優勝争いが繰り広げられそうだ。今回は、その4校の戦力と注目ポイントを紹介する。

 一時代を築いた中津北女子バスケットボール部が、再び脚光を浴びようとしている。かつて県内で「常勝中津北」と呼ばれたチームも、近年は私学勢の台頭に苦しみ、優勝から遠ざかってきた。だが、大津留礎監督の言葉には迷いがない。「公立の伝統校として、ひと泡吹かせたい」。その一言に、チームの原点と誇りが詰まっている。

 今夏の強化期間は決して順調ではなかった。学年を越えたチーム内の問題が重なり、全員で練習できない日々が続いた。「丁寧に向き合いながら解決してきたが、時間を要した」と大津留監督。毎年恒例の夏合宿も十分に行えず、不安を残したまま秋を迎えた。それでも、選手たちは立ち止まらなかった。基礎に立ち返ることを徹底した。

ここ数年は4強に残るが優勝から遠ざかっていた中津北

 大津留監督が今年、特に意識しているのは選手の「自立」だ。練習メニューを選手と一緒に考え、チームの方向性を共有する。「これまでと選手との距離感が違う。自分たちで考えて動けるチームにしたい」と言う。技術的なレベルでは他校に劣る部分もあるが、その分、粘りと一体感では負けない。主力の一人、松井陽愛(3年)は「最後まで戦う姿を見せたい」と力を込める。

 ウインターカップ県予選のポイントは、準々決勝をいかにスムーズに勝ち抜き、準決勝で対戦することが予想される大分戦に全力を注げるか。ハイスコアで打ち合うのではなく、守備の粘りでロースコアに持ち込む戦いが理想だ。そのために大津留監督が秘策を練っている。「狙い通りの試合ができても五分。それくらい手強い相手だが、何が起きるかわからないのが高校生。ウチは全力で戦うだけ」と語る表情に迷いはない。

 そして迎えるウインターカップ県予選。今年のチームには、例年のような“夏合宿の土台”がない。例年であれば、極限まで追い込み、心身を鍛え上げる合宿を経て大会に臨むが、今年はその時間を確保できなかった。それでも選手たちは、日々の練習の中で自らを奮い立たせてきた。限られた環境の中で、どれだけ自分を高められるか。それこそが中津北らしさだ。

 大津留監督は静かに言う。「諦めない姿勢で胸を張れるチームにしたい」。チームとして、まだ完成には遠いかもしれない。だが、努力の積み重ねは確実にチームを変えつつある。

3年生が一枚岩になって勝利を目指す

(柚野真也)



大会結果

2023年度