
ウインターカップへの道 バスケットボール男子(1) 柳ケ浦が再び挑む 冬の頂への道標【大分県】
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「ウインターカップ」として行われる「第78回全国高校バスケットボール選手権」の県予選が9月6日、始まった。男子は39校が出場し、今月25日に4回戦、26日に準々決勝、準決勝、11月3日にクラサス武道スポーツセンターで決勝がある。
県内の主要大会(県高校新人大会、県高校総体、ウインターカップ県予選)の結果を基に、準々決勝から第1〜4シードが登場する。今回はシード4校を紹介する。第2回は、地道に積み上げてきた基本力を武器に再び頂点を狙う別府溝部学園。
2023年のウインターカップ出場から2年。別府溝部学園は、再びその舞台を目指している。この間、県内では宿敵・柳ケ浦に屈する悔しいシーズンが続いた。だが、チームは焦らなかった。結果に一喜一憂せず、地道に基礎練習を積み重ねてきた。その努力が、今ようやく実を結ぼうとしている。
今年3月のオール関西大会(第53回全関西バスケットボール大会)で準優勝。6月の九州大会では全国トップクラスの福岡第一を相手に互角の戦いを繰り広げた。「これまでやってきたことが実となった」と伊藤滋監督は振り返る。
全国トップクラスの相手に通用したという実感は、チーム全体に確かな自信をもたらした。この成果を支えたのは、“基本”を信じる姿勢である。多くのチームが流行の戦術や新しいフォーメーションを追う中、伊藤監督はあえて逆を行った。「特別なディフェンスも新しい戦術もいらない。大事なのは、当たり前のことを徹底すること」。
地味に見える練習を、選手たちは黙々と繰り返す。ただ自らの意志で上達を追い求める姿が、チームの日常となった。その成果が最初に形となって現れたのが、オール関西大会の鳥取城北戦だった。全国高校総体で優勝した王者に10点以上差をつけて勝利したのだ。あの瞬間、選手たちは確信した。「自分たちのやってきたことは間違いじゃなかった」
この経験が、現在のチームの軸を強固にしている。迎え撃つウインターカップ県予選では、再び柳ケ浦との激突が濃厚だ。両者は今年5度も対戦し、互いの手の内を知り尽くしている。「お互いにやりたいことを封じ合う神経戦になる」と伊藤監督は語る。
得点力では溝部学園に分があるが、勝敗を左右するのは“平常心”だ。ファウルトラブルを避け、誰が出ても戦力を落とさず戦い抜くことができるか。
伊藤監督は選手たちにこう伝えている。「泰然自若。動揺するな。自分のやってきたことを信じろ」。スタークス・ジュリアン・リトルジョーとオヴァクポリ・ポール・オゲネモメノの2枚看板を中心に、知名勝真や岡田采樹ら3年生が着実に力を伸ばしている。 「基本を信じて積み上げてきたことが、どこまで通用するか。それを確かめるのがこの予選」と伊藤監督は言う。2年間の悔しさと努力の全てを胸に、再び全国の扉を叩く。
(柚野真也)
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