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春の高校バレー(男子) 両エースとベンチワークも光り、大分南が連覇達成

春の高校バレー(男子) 両エースとベンチワークも光り、大分南が連覇達成

全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦

決勝戦 11月8日 昭和電工武道スポーツセンター

大分南 3−2 大分工業

(25-20、21-25、22-25、25-19、15-13)

 

 大会連覇を狙う大分南が、苦しみながらもフルセットの末に大分工業を下した。最後の得点をブロックで止めた瞬間、歓喜の雄たけびを上げ、コート上にうれし涙を流しながら倒れ込む選手たちの姿が、死闘を物語っていた。初出場となった前回の全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)を終え、新チームとなってからの大会では優勝から遠ざかっていた。キャプテンの羽田野拓実(3年)が「周りから大分南が『終わった』と言われていたので見返したかった」と話した言葉に勝利の執念を感じた。

 

 今年最初で最後の全国への切符の懸かった大会で躍動したのは、大分南の“二枚看板”、羽田野と城井隆匡(3年)のエースだった。その両右腕から繰り出されるスパイクの精度がチームの浮沈を決めると言っても過言ではなかった。先陣を切ったのは羽田野だった。「最初から自分が決めてやると思っていた」と硬軟自在のスパイクで得点を積み重ねる。緊張でトスが乱れる1年生セッター大堀孝一に対し、「ミスしてもいい、集中力だけ切らすな」と呼び掛ける。第1セットを先取し、第2、3セットを奪い返されても、同じように声を掛け続けた。

 

気迫あるプレーを見せた羽田野拓実

 

 もう一人のエース城井は序盤こそ波に乗れなかったが、「徐々に会場の雰囲気に慣れ、気持ちが高まった」と尻上がりに調子を上げる。抜群の跳躍力と力強さを備え、後衛に回れば強烈なバックアタック。この伝家の宝刀を効果的に抜き、相手の守備を惑わせた。後がない第4セットでは、羽田野の正確に撃ち抜くスパイクに城井の後方からの援護射撃がかみ合い、同点に持ち込む。羽田野が決めれば、城井も決める。好循環が続き、大堀のトスワークも次第に大胆になり、的を絞られない攻撃を構築する。

 

 第5セットが始まる前にベンチを離れ、全選手を会場の外に出した柿原茂徳監督のベンチワークも光った。「戦術的なことは何も言わなかった。 “冷静に気合を入れた”。1セット目の入りのようにリセットさせた」。この絶妙な間が先制の連続4得点につながり、同点に追いつかれることはあったが、一度もリードを許さずに試合を終えた。柿原監督は「連覇できたことは大きい。この経験は全国につながる」と語り、羽田野は「失うものは何もない。高校最後の大会を楽しみたい」と晴れ舞台に目を向けた。

 

 

優勝の瞬間、喜びを爆発させた

 

 

(柚野真也)