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バサジィ・バレー 勢いに乗れなかったクラブカップ 決勝トーナメント1回戦敗退

バサジィ・バレー 勢いに乗れなかったクラブカップ 決勝トーナメント1回戦敗退

消化不良のまま大会を去る

 

 一言で言えば、物足りなさが残る大会となってしまった。クラブ日本一を目指すバサジィ大分の女子バレーボールチームにとって、全日本6人制バレーボールクラブカップ女子選手権(クラブカップ)は、1年の活動で最も重要で、力の入る舞台だった。だが、結果は決勝トーナメント1回戦敗退で、あっけなく大会を去ることとなった。

 

 予選リーグ、決勝トーナメントの2試合を終え、中村貴敏監督は「点を取るバレーを目指しているのに、自分たちのやるべきことがやれなかった」と厳しい表情で語った。高い軌道のセットを上げスパイクを打ち込むオープン攻撃で得点を重ねたかったが、ファーストレシーブが思うように上がらず、連係ミスも目立った。目標を昨年のベスト16を上回るベスト4と設定していただけに、2試合では何も試せなかったというのが本音だろう。

 

 予選リーグは悪い流れの中で苦しみながらも得点を重ねたが、決勝トーナメント1回戦は粘りが足りなかった。エースの伊藤あかねがチームに勢いを与える強烈なスパイクを打ち込み、引っ張られるように山下志保らアタッカー陣も得点を重ねた。ただ、練習試合も公式戦も少ないチームは試合勘を取り戻せず、動きが鈍かったのは事実。リードしているときは目立たなかったが、逆転されるとボールを正面で受けることができず「手だけでボールを追った」(中村監督)。コートの中もベンチからも声が出なくなり、相手の勢いに飲み込まれた。バサジィが狙いとするオープン攻撃は単調になり、高さのある相手のブロックに阻まれ、自分たちのペースを取り戻せず逃げ切られた。

 

 

クラブカップで得た課題と収穫

 

 2試合を通して、自分たちの時間帯とそうでない時間帯との落差の激しさが課題として挙げられる。「自分たちのミスから自滅した。悪い流れを切り、自分たちの流れにもっていける組み立てをしていきたい」とキャプテンの工藤早也香は話す。

 例えば、決勝トーナメント1回戦の第1セット。序盤は伊藤のスパイクが決まり、そこから古原加奈や山下の思い切りのよいスパイクが決まった。だが、問題はそのスパイクが拾われた時間帯。相手に粘られ、つながれると2本目のチャンスで消極的なスパイクが多くなった。自分たちの積み上げてきた型にはまらなかったときに、慌てるのではなく、組み立て直す力が必要だ。

 

 収穫としては、その「自分たちの時間」には自信を持てたということ。「調子がいいときは一気に勢いに乗れると思った。今回は乗れそうなところでミスが出たのは残念だった」と伊藤。大事な場面でのミスが多かったが、会場の観客を魅了するバレーはできた。高速バレーが女子バレーでは主流だが、バサジィのオープン攻撃は迫力がある。前衛アタッカーに向けて十分に高い軌道のトスを上げ、時間的余裕を持たせて打たせるダイナミックなアタックは何度も会場を沸かせ、観客を味方につけた。それだけに自分たちのスタイルに自信を持ち、積極的にスパイクを打ち込める時間帯を増やしていきたいところだ。結果は物足りなかったが、チーム設立2年目の成長は見てとれた。

 

 

(柚野真也)