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バサジィ 見せつけたクオリティーの違い、開幕2連勝

バサジィ 見せつけたクオリティーの違い、開幕2連勝

 2連勝スタートしたバサジィ大分。ホーム開幕戦となったボアルース長野との試合では6−2の貫禄勝ち。Fリーグ参戦2年目の相手と、リーグ設立の2007年から“オリジナル8”として試合を重ねたバサジィとでは歴史の重みが違う。そう思わせる試合内容だった。「自陣でブロックを築き、ボールを奪えば手数を変えずに攻める」。伊藤雅範監督のスタイルは端的に言えば、こうなる。そのコンセプトは、守備の仕掛けどころの位置は違えど、長野のプレーからも垣間見えた。だが、球際の激しさ、攻守の切り替えといった基本的な部分で大分が完全に上回っていた。伊藤監督が再就任してから常に選手に求めていたもので、試合後に指揮官は「ここ3年の試合でわれわれは走り負けたことがない」と言い切った。

 

 もちろん大分が長野を上回ったのはそれだけではない。選手個々の質、チームとしての組織力も上だった。速攻が無理なら遅攻、その判断は選手に委ねられるが、連動性の部分で出し手と受け手だけで終わらず、3人目、4人目の動きが加わるからパスの循環が良い。攻撃に厚みが生み出されていた。6得点すべてが異なる形から生まれ、あらゆるエリアで起点ができ、攻撃のバリエーションも多彩となる。

 

ホーム開幕戦も勝利した好調バサジィ

 

 相手の運動量が落ちなかった前半は、先制点を奪うまで時間がかかったが、慌てることはなかった。「守備からリズムをつくるのがウチのチーム」と、キャプテンの森洸。リスク管理を徹底しているからカウンターを受けることが少ない。ボールを奪われても攻守の切り替えが速く、奪い返し、再び攻撃へ展開する。相手の運動量は次第に落ち、隙ができれば攻撃のスイッチとも言える縦パスが入った瞬間に、一気にゴールを襲う。伊藤監督は「相手に合わせた試合をしてしまった」と慎重な立ち上がりを改善点に挙げたが、表情は穏やかだった。

 

 2試合が終わっただけだが、今季の可能性を示した一戦だった。2得点した仁部屋和弘は「大枠はできているが細部のところはまだまだ。それでも勝ちながら修正できるのはいい」と話したように、調整段階でありながらも結果を出すところに底力が見て取れた。この勝負強さこそが、伊藤監督が植え付けたコンセプトである。今季の大分の強みとなりそうだ。

 

守備からリズムをつくった森洸

 

 

(柚野真也)