
サッカーU―18プリンスリーグ九州 大分トリニータU―18 中断期間を超えて描く後半戦の青写真 【大分県】
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大分トリニータは、J1新潟から攻撃的MF落合陸を期限付き移籍で獲得した。今夏の補強はブラジル人FWグレイソン、DF三竿雄斗に続き3人目となる。落合は苦境のチームにあって攻撃の幅を広げ、新たな選択肢をもたらす存在だ。
チームへの合流は8日。わずか2日目の富山戦にいきなり出場した。片野坂知宏監督は「ほとんどチーム練習をしていないスクランブル態勢だったが、陸の能力は発揮された」と評価する。練習からハードワークを惜しまず、攻守において切れ目なく動けるオフ・ザ・ボールの質が高い。
落合自身も覚悟は固い。「チームを救うために来た。順位を上げられるかは自分にかかっている」と語る。その言葉には、わずかな準備期間をものともせず戦列に加わった責任感がにじむ。得意とするのはボールを持ったときの創造性と前線へのパス供給。落合の前にはグレイソンや宇津元伸弥といった決定力や突破力を備えた仲間がいる。「2人の特徴を最大限に生かしたい。前進できるパスを出していく」と連係強化への意欲も示す。
移籍の決断は短期間で下された。複数クラブからオファーがあった中で、大分の熱意が胸を打ったという。「プレーを細かく評価してくれた。ここでなら自信を持ってプレーできるし、このチームは上に行くべきチームだと感じた」。新潟で出場機会に恵まれず、悩んだ末、キャリアを前に進めるための挑戦を選んだ。
途中加入には適応の難しさもあるが、落合は言い訳をしない。「できるだけ早く馴染んで、早く結果を出したい」。チームの決まり事を守りつつも、自分らしさというプラスアルファを加えることが上に行く条件だと理解している。
現在チームは8戦未勝利という厳しい状況にある。片野坂監督は練習から「寄せ」や「シュートのこだわり」を求め、選手の意識改革を促している。落合も「コンディションが整えばもっとできる。口だけでなく行動で示す」と力を込める。目標は明確だ。「まずは勝利。そのために走り、ワンタッチゴールで仕留めたい」。さらに、「一つのゴールや勝利がチーム全体の自信を呼び覚ますはず。そのために自分が起点となり、流れを変える役割を果たしたい」と語る。
攻守で躍動できる新戦力が加わったことで、大分の攻撃は新たな表情を見せ始めるはずだ。落合陸の覚悟と挑戦が、残りシーズンの浮上の起爆剤となる。
(柚野真也)
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