
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
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高校1年生がビーチで躍動した。男子の県ビーチバレーボール選手権で頂点に立ったのは、楊志館の谷上春輝・西村日向汰ペア。決勝戦では同校の上級生ペアとの一戦、第3セットまでもつれる接戦の末に粘り勝った。
「当然、優勝は狙っていたが実際に勝てたことがうれしい」。中学時代からビーチバレーを続けてきた谷上の表情には、自信と安堵がにじむ。全国大会出場の経験を持ち、相手のいないスペースを正確に突くコントロールスパイクが武器。谷上は、相手の良いプレーを積極的に吸収し、自らの成長につなげようとする姿勢を崩さない。
相棒の西村は高校からビーチに転向した守備職人だ。「最初は砂の上で思うように動けず、苦労した」と振り返るが、インドアバレーでリベロを務めるそのレシーブ力は、ビーチでも確かな強みとなった。拾って、拾って、拾い続け、谷上の多彩な攻撃につなげる役割を徹底する。
谷上、西村のペア結成は、自然な流れだったという。谷上が攻撃型、セッター型、守備型の同級生の中から自ら守備型の西村をパートナーに選んだ。「私は何も言わなかったが、谷上が自分で決めた」と上村忠史監督。互いの役割が明確だったことで結ばれたペアだからこそ、信頼関係も厚い。
上村監督は「1年生ペアが県代表になるとは予想していなかった」と驚きを隠さなかったが、「3年計画で強化したい」と語った。とはいえ、この優勝がもたらしたインパクトは大きい。7月11日には国スポ九州ブロック大会が控えており、本大会の出場権をかけた大一番が待つ。さらに、8月には日本ジャパンジュニア男子選手権にも出場する。全国の強豪と対峙(たいじ)する中で、多くの経験を積むことが最大の収穫となるだろう。
谷上は「上級生が相手になる全国大会で、相手のいいところを盗んで来年に生かしたい」とすでに視線は未来を見据える。西村も「自分たちがどこまで通用するか試してみたい」と意欲をにじませた。
県外では春の高校バレー出場クラスの主力がビーチにも参戦する。その中で、小柄な楊志館ペアが勝ち抜くには、拾って粘って勝機を探るしかない。しかし、谷上、西村ペアにはその覚悟がある。砂上に立つ1年生コンビの挑戦は始まったばかりだ。
(柚野真也)
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