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バサジィ大分 開幕5試合を終えたバサジィの現在地 【大分県】

バサジィ大分 開幕5試合を終えたバサジィの現在地 【大分県】

 Fリーグ第5節、バサジィ大分は今季連覇を目指すバルドラール浦安と対戦し、2-0で勝利した。開幕から4連勝中だった首位チームに対し、今季初の無失点勝利を挙げたこの一戦は、バサジィにとって、大きなターニングポイントとなる試合となった。

 開幕からけが人に悩まされ、満足な布陣が組めない中でも、狩野新監督は「今できることに集中する姿勢」を徹底。守備からリズムをつくり、カウンターで仕留めるという明快な戦い方を貫いた。試合後、「攻守ともにズレがなかった」と語ったように、選手たちは互いの意図を共有し、首位相手に一歩も引かぬプレーを見せた。

 得点を挙げたのはベテラン田村龍太郎。1点目は練習で積み上げたカウンターから生まれたもので、田村は「決めるだけだった」と謙虚に振り返るが、そこに至るまでの運動量と判断力はさすがだった。2点目も鬼塚祥慶との守備の連係から生まれた得点であり、「全員の守備意識が高かったからこそ」と、あくまでチームメイトへの感謝を強調する。自らを主役に置かず、勝利の背後にあるチーム全体の働きを口にするその姿勢に、このチームの成熟度が垣間見える。

守備意識の高さがチームに浸透している

 狩野監督はこの試合の勝因として「守備の粘り強さ」を挙げた。25本のシュートを浴びながらも身体を張ってゴールを死守し、相手のエースにほとんど仕事をさせなかった守備陣の奮闘は見事だった。試合中にはベンチ外の選手も含めてディスカッションを重ねるなど、全員が戦術理解と修正に参加するチーム文化が根付き始めている。

 また、多彩なキックを使い分ける鬼塚が加わったことでセットプレーの質も向上。狩野体制が掲げる“堅守速攻”の再構築が、ようやく形になりつつあることを印象づけた。

 まだ2勝1分2敗、勝ち点7で7位という位置ではあるが、内容面では明確な進化が見られる。狩野監督は「浦安戦はもう忘れた」と語り、すでに次節へ視線を向けている。田村も「今日のような試合を当たり前にしていきたい」と継続の重要性を説いた。

 守備から攻撃へ。組織で戦い、個で決める。今節の勝利は、バサジィが上位に食い込むチームであることを確かに示していた。

浦安を相手に2得点を決めた田村龍太郎

(柚野真也)