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トリニータ 過密日程を想定し、焦らず戦術を浸透

トリニータ 過密日程を想定し、焦らず戦術を浸透

 新型コロナウイルスの影響でJリーグの開催延期が続く。大分トリニータは4月3日まで練習見学やファンサービスの中止を決定。基本的に取材対応もなく、どのようなトレーニングを積んでいるのか分からない状況にある。もちろん再開に向けて活動しているのは間違いない。西山哲平G Mが「いつもより多くオフを挟みながら集中力が維持できるように調整している。選手は今のところストレスを感じることなく、再開後に最高のパフォーマンスを見せることができるよう練習している」と話すように、グラウンドレベルでの準備に支障はないようだ。

 

 片野坂知宏監督が就任して5年目の今季は、初陣のルヴァンカップ・グループステージ初戦からJ1リーグ開幕戦までの公式戦2試合で2連敗。しかも無得点と、スタートにつまずいたが焦りはない。どちらの試合も相手の守備を慌てさせた場面は数知れず、逆にピンチの回数は片手で済むほどで、相手ゴールへ幾度となく襲い掛かった。「決定機を創出し、その内容もサイドを崩していい形でシュートが打てている」(西山G M)。決して楽観視しているわけでもなく、新加入選手11人を加え、戦い方の軸は変わらないがアレンジしている。最初からうまくいくとは思っていない。組織力で戦うチームがゆえに「戦術が浸透すればするほど強くなる」との思いは強い。

 

スタッフも一枚岩となって難局を乗り切る(写真はシーズン前)

 

 そう考えると、この中断期間は決してネガティブなものではない。この間にチームの完成度を高めるために対外試合を組むなど、実戦を通した戦術の落とし込みに余念はない。比較的人の少ないサイドを攻め、つなぐときは何本でもパスを回してボール支配を高めるやり方は変わらないが、今年はペナルティーエリア内で力を発揮するFW知念慶やFW渡大生ら個の能力に秀でた選手が加わり、組織と個を生かした柔軟な戦い方を目指している。決定力不足は改善できていないが、西山G Mは「決定機の数、シュートの数を増やして確率を上げるしかない」と、より精度を高めることをテーマに掲げ、ゴール前の攻防に練習に時間を割いているようだ。

 

 リーグ再開後の2カ月は、延期された試合が平日に組み込まれることが予想され、過密スケジュールをいかに乗り越えるかがポイントとなる。片野坂監督は「競争なくして成長はない」との思いは強く、各ポジション2人以上で競わせるように陣容を整えている。決して選手層は厚くはないが競争が生まれる仕組みはあり、実りある中断期間を過ごしていると言えるだろう。調整の進捗は不透明ながら、開幕前と比べけが人も復帰し、ベストに近い状態で準備ができているのは間違いなさそうだ。

 

4月3日まで非公開は続く

 

 

(柚野真也)

大会結果