大分上野丘高校ラグビー部 佐藤武信(3年) file.827
ラグビー
全国高校ラグビー 緊張から解き放たれた大分東明が初出場初勝利
第99回全国高校ラグビー大会は27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕した。初出場となる大分東明は飯田高校(長野県)と対戦し、35—0で歴史的1勝を挙げた。キャプテンの若松納央(3年)は、「めちゃくちゃ緊張してエンジョイラグビーができなかった。それでも低いタックル、速い展開はある程度できた」と笑みを浮かべた。
堂々の初陣だった。試合開始直後は緊張でミスが続いたが、時間とともに自分たちのスタイルを取り戻した。白田誠明監督は「思った通りだった。初めての花園で緊張するなというのが無理なこと。選手には『緊張は時間とともに解けるから心配するな』と声を掛けた」とピッチに送り出し、見守った。
勢いを与えたのはフィジーからの留学生セコナイヤ・ブル(2年)だった。「緊張して体が動かず、思い通りの試合ができなかった」という言葉とは裏腹のプレーぶりだった。相手の固い守備に文字通り体をぶつけて強引にこじ開ける。前半16分、ゴール前の中央ラックから若松のパスを受け、セコナイヤが先制トライを決めた。
突破口を開いたセコナイヤ・ブル
このプレーをきっかけに、得意の速い展開ラグビーに持ち込んだ。23分にテンポよくパスがつながり、伊達壮次郎(2年)が右中間にトライ。31分には春口暁(3年)も3つ目のトライを奪った。この日、5本すべてのコンバージョンキックを決めた戸高央太(3年)は、「1本目を決めた段階で外す気がしなかった。今日は完璧」と胸を張った。
後半も2つトライを奪い、守っては低く、鋭いタックルが次々と決まり、無失点に抑えた。「大分舞鶴を敗って花園に来たのだから情けない試合はできなかった。勝てたことが最低限の結果だったが、ウチの力はこんなものではない。次からは緊張から解放され、もっといいプレーができると思う」と白田監督。
何もかもが初めてであったが、5トライで相手をゼロに抑える危なげない試合運びで完勝し、花園デビューはこの上ないスタートを切った。
5本すべてのキックを決めた戸高央太
(柚野真也)