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2020注目選手 岩田智輝(大分トリニータ)「DFの概念が変わるようなプレーをしたい」

2020注目選手 岩田智輝(大分トリニータ)「DFの概念が変わるようなプレーをしたい」

 

 今年は充実のシーズンを過ごした大分トリニータの岩田智輝。自身初のJ1で開幕から先発に定着し、6月には日本代表に初選出、南米選手権(コパ・アメリカ)では2試合に先発出場した。試合中のけがで離脱することもあったが、復帰後はさらにスケールアップし、先発の座を奪われることはなかった。来年の東京五輪に向け、日本代表U-22で主力としてプレーする。本人は「東京五輪は通過点だと思っている。海外でプレーし、DFの概念が変わるようなプレーをしたい」と大きな目標を抱いている。

 

 大分の下部組織からトップチームに昇格し、J3から各カテゴリーを経験。22歳の生え抜きは、クラブの飛躍とともに歩を進めた。プロ1年目は粗削りだったが、クラブは戦略的にダイヤの原石を磨く。西山哲平強化部長が「トモキは高校3年で強化指定選手になり、チームに帯同し天皇杯に出場させた。プロ入り後はJ3ということもあり、現場サイドに我慢強く起用して育ててもらった」と明かしたように、試合に出ることでしか得られない経験を積ませた。

 

 2年目は試合に出場できない時期を味わった。「当時は何をやってもうまくいかず、モヤモヤを感じながら毎日の練習をしていました。なんで俺が試合に出られないの?と自分に矢印が向いてなかった」と悩み、もがき続け、たどり着いた答えが、「チームに欠かせない絶対的な存在になること」だった。ボールを止めて、蹴る。当たり前のことを当たり前にできるように、もう一度基礎から見直した。それからの岩田は成長が加速した。「思ったところにボールを止めると、それだけで時間が生まれ、周りが見えるようになった。基本の大切さを知り、考え方も変わりました」

 

 岩田の最大の魅力は、最終ラインとなる3バックの右を定位置としながら、攻撃の組み立て、崩しに関わる技術の高さにある。それは大分の下部組織時代、ポジションにこだわらず、GK以外のポジションを全て経験したことが大きい。「ユースの時は高校1年でCB、高校2年でサイドとFW、高校3年はボランチ。ジュニアユースの頃もGK以外は全部のポジションでプレーし、トップチームに上がるまでフリーマンという感じだった。アカデミーでの6年間の経験はすごく生きている」。その結果、これまでにないタイプのDFとして注目を集めている。

 

 「3バックの右サイドといえば岩田智輝と言われるようになりたいし、DFの概念が変わるようなプレーをしたい。今年はJ1で通用する手応えをつかんだので、来年はさらにスケールアップしたい。その先にオリンピックがあると思う。自国開催のオリンピックなので、今までにない注目が集まると思う。この先、どうなるかなんて分からないけど大分の代表として選ばれたら最高」。22歳、世界を見渡せば決して若い選手ではない。だが発展途上で伸びしろは十分。唯一無二の存在になることを目標とする岩田は、東京五輪を踏み台に大きくジャンプアップする。

 

「スケールアップの年にしたい」と語る岩田智輝

 

 

(柚野真也)

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