
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
基本スタイル
今年の柳ケ浦は守備がいい。守備からチームを構築するのが柳ケ浦のスタイルではあるが、「例年になくディフェンスの出来がいい」と中村誠監督が太鼓判を押すほどだ。機動力があり、運動量豊富な選手を練習で鍛え上げたことで、誰が出ても戦力が落ちない。消耗の激しい守備において、迷うことなく選手を入れ替えることができることは大きな武器だ。さらに身長2mのガンホヤグ・ドゥルグーン(1年)がひと夏を超えて大きく成長し、リバウンドが強化された。
攻撃ではエースはいないが、どこからでも得点を奪うことができる。攻撃のバリエーションが多く、ナンバープレーなどのセットオフェンスの成功率は高い。攻撃のタクトを振るうのは2年生の仲間廉人。堅実なプレーをウリとするPG(ポイントガード)は、現役時代PGとしてプレーした中村監督から手ほどきを受け、試合のつくり方を学んでいる。別府溝部学園の中心選手である島袋琉希(2年)とは、同じ中学でしのぎを削った仲間だ。全国高校バスケ選手権県予選の準決勝で対戦することが予想され、このPG対決がチームの勝利を左右するといっても過言ではなく、注目が集まる。
全国選手権県予選に向けて練習も緊張感が増す
仲間をサポートするキャプテンの松本克己や石川桂也ら3年生の力は安定しており、攻守で大きな力となる。チームはインサイドを中心とした攻守の展開を特徴とし、ロースコアとなれば柳ケ浦の勝機はグッと高くなる。「1クオーターを20-15で4回進める」と中村監督。全国の強豪校と練習試合を重ね、結果を出すことで自信を深めてきた。
2年ぶりの全国選手権出場を確実に手にするために、二の手、三の手も用意している。「ここで言ったら秘策にならないでしょ」と中村監督。不敵に笑う策士はあらゆるシチュエーションを想定して、数え切れないバリエーションを用意している。選手のキャスティングを含め、采配も楽しみだ。
2年ぶりの全国選手権出場を狙う柳ケ浦
(柚野真也)
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