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ヴァイセアドラー 米田亘希 キャプテンの誇り

ヴァイセアドラー 米田亘希 キャプテンの誇り

Vリーグ2年目に挑戦する大分三好ヴァイセアドラーのキャプテンとなった米田亘希。中位を目指すチームにとって、この男の活躍は必要不可欠だ。強烈なサーブで試合の流れを変える米田は、大きな期待をその背中で受け止め、新シーズンに挑む。

 

肉体改造で1年戦える力をつけた

 

Q:バレーボールの国内最高峰「Vリーグ」が昨年度から始まりましたが、初年度を10チーム中9位で終えての感想は?

思うような成績ではなかったですが、どうしようもない差とは感じませんでした。自分たちが戦える場面もあったし、思っていたよりは上との壁は感じなかったです。個人としては出場機会が少なく、フラストレーションがたまり、悔しい思いをしました。

 

Q:開幕から9連敗したときのチームの雰囲気は、どんな感じでしたか?

そんな簡単に勝てるとは思っていなかったので、みんなで腐らずにプレーすることを考えていました。諦めたらそこで終わるので、暗くならないようにしました。チームとして集中力が切れるようなことはなかったし、そのあたりの心配はなかったです。

 

Q:何が通用して、何が欠けていたと感じましたか?

攻撃力は通用したと思います。きれいにサーブレシーブが上がれば簡単に得点できました。逆に、そこにもっていくのに苦労しました。ディフェンス面で劣っていた。大きなレベルの差を感じました。

 

Q:米田選手自身にとっては、どんな1年でしたか?

外国人枠が一つ増えて、同じポジションに外国人選手が入りポジション争いで負けてしまった。それと昨年はリーグ開幕前の国体で足を捻挫してしまい、そこから2週間ぐらい練習ができなかった。その前のシーズンは主力として試合に出ていたので、自分が何とかしなければいけないという思いが強過ぎました。出遅れないようにと焦って完治しないまま練習をした結果、ずっと状態が悪いままシーズンを過ごしてしまいました。

 

Q:2年目のリーグが始まりますが、初年度との違いはありますか?

下のカテゴリーのときは100%の力を出さなくても勝てていた。試合に出る6人のコンディションが良ければ勝っていたが、トップリーグになるとそうはいかない。総力戦という感じで、後半戦になれば疲れもたまってくるし、メンバーの総合力が試されました。2年目となり、そのあたりのことが分かってきたし、各々がコンディションを調整し、レベルアップしなければ勝てないと感じていると思います。

 

Q:さらにレベルを上げるということですが必要なことは?

僕個人としては身長がない分、トレーニングで今までにないくらい体幹も含め上半身、下半身の筋力アップをしました。体重は2㌔増え、体を一回り大きくしました。ただ、体重が増え過ぎると飛べなくなるし、膝の負担が大きくなりけがにつながるので、うまく調整しました。今でも毎日体重管理は続けています。

 

Q:米田選手といえば強烈なサーブが代名詞ですが、今季は自分の武器をどのように磨いているのですか?

効果的なサーブを打てるようにフォームを変えるというよりは、打つ位置を変えたりして変化をつけています。同じ場所から同じサーブを打つと相手は慣れるので、相手の目線を変えたり駆け引きをするようにしています。相手が嫌がるようなプレーをしたいです。

 

新キャプテンとなった米田亘希

 

キャプテンとしてチームの勝利を優先

 

Q:外国人選手が2人代わり、セッター田尻信太郎選手、リベロ久保田雅人選手も加わりました。今季は主力の選手が大幅に入れ替わりました。新戦力の特徴はもう把握しましたか。

田尻さんや久保田さんは下のリーグで対戦したことがあるし、2人とも年齢が一つ上で、高校時代は同じ九州だったので知っていました。いきなり知らない人が来たという感じはなく馴染みやすかったです。(新外国人選手の)エビスは僕が内定選手だった頃に練習生としてチームに帯同していて、一緒に練習したことがあります。なので、また帰って来たという感じです。ウチは入れ替わりが多い方なので慣れているというか、新しい選手が入ってもみんなが受け入れる下地は他のチームに比べ柔軟だと思います。

 

Q:今年はキャプテンとなりましたが、その経緯は?

(前キャプテンの)高山伸悟が辞めてキャプテン不在となり、4月頃の練習終わりに小川貴史監督から「キャプテンができるのはお前しかいない」と言われました。3日ぐらい考えたけど、監督から直々に言われたら断ることなんてできない。指名してもらった以上はやるしかないと思いました。(相談した)奥さんからは「期待されているならやってみたら」と言われました。キャプテンは高校の時以来です。

 

Q:キャプテンのイメージとは?

僕の中では2種類あって、一つはカリスマ性があり、プレーや態度で引っ張るタイプ。もう一つはチームみんなとコミュニケーションをとって溶け込むタイプ。僕は背中で語るタイプではないので、みんなと分け隔てなく話しながらプレーに集中しやすい環境をつくっていくことが役割なのかなと思っています。

 

Q:キャプテンとして迎えるシーズンは、これまでと違いますか?

昨年までは自分のプレーに集中することだけを考えていましたが、今年はチーム全体のことを考えることが多くなりました。

 

Q:10月26日島原での開幕までの仕上がり具合は?

正直、選手一人一人の実感はないけど、そんなことは言っていられない。練習から緊張感を持たせて、開幕に向けて最高のスタートが切れるように準備したいです。

 

Q:今季のチームの特徴、狙いとするところは?

昨年までのようにエースのヤカンに高いトスを上げてというスタイルではなくなります。今年は大砲がいないけど、どこからでも速い攻撃ができるような選手がそろっているので高速バレーになると思います。テンポが速いと攻撃は分散できる。どこまで通用するか楽しみです。

 

Q:トリニータもバサジィも好調ですが、意識しますか?

いやが応でも情報は耳に入ってくるんでね。すごいプレッシャーです(笑)。どちらも調子がいいので流れを切らないようにとは考えます。

 

Q:では最後に、今季の具体的な目標を教えてください。

チームとしては(3回戦総当りの27試合で)どのチームからも1勝すること。個人としては、平均年齢がリーグで最も若く、悪い流れのときに立て直せないので、チームの状況を変えられる選手になること。そのためには観客を巻き込むパフォーマンスとサーブで盛り上げたい。開幕は島原なので見に来てくださいとはなかなか言えませんが、いい流れを作って12月の大分開催までにはチームの状態を良くしたいです。

 

今季の目標は全チームから1勝

 

(柚野真也)