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飛び込み 少年男子 尽きない向上心。全国総体優勝の山本馨(別府翔青2年)がさらなる高みへ

飛び込み 少年男子 尽きない向上心。全国総体優勝の山本馨(別府翔青2年)がさらなる高みへ

 

 8月の全国高校総体で高飛び込み2位、飛び板飛び込みで優勝した山本馨(別府翔青2年)。小学生の頃から全国だけでなく国際大会にも出場する山本は、今なお成長曲線は右肩上がりだ。

 

 昨年から専属のトレーナーにより体のケアだけでなく、基礎筋力の向上に取り組んだ。飛び込み競技は勝負が決まるまでの時間が短い。わずか2秒弱の間に高度な技を組み込む。筋力の増加により回転スピードや跳躍力を上げたことで、入水までの時間がコンマ数秒長くなった。このわずかな時間が山本の安定感につながっている。「ひねりや回転を終え入水する角度やブレを修正できるようになった」(山本)。

 

 肉体改造のほかに冬場から難易率の高い演技構成を取り入れ、完成度を高めた。高校生では「前宙返り2回半2回ひねり」は超難関だが、山本は成功率を高め、ミスを極力減らすことに成功した。全国高校総体ではライバルたちの得点が伸び悩む中、高飛び込みと飛び板飛び込みで好結果を残した。山本は「まさか板(飛び板飛び込み)で優勝するとは思っていなかった。大きなミスがなく安定して飛べたのが勝因」と振り返る。

 

飛び板飛び込みで優勝した山本馨

 

 

 全国総体後はJOCジュニアオリンピックカップに出場し、国体の後には日本選手権などビッグマッチが続き、休む間もない。「毎年のことなので慣れた。冬場になれば大会は少なくなるし、それまでにできたこと、できなかったことを明確にしたい。連戦が続くので筋力と練習量を落とさずコンディションを整えたい」と言葉に説得力があるのは、小学1年から各年代のトップを走り続けたからこそ。「改善の余地があるということは、まだまだ伸びしろがあるということ」と演技への追求心は尽きない。

 

 日本のトップは1年中競技ができる屋内練習場のある環境を求めるが、山本は地元で競技を続けることを選び、冬場はトランポリンや陸上練習で技を磨く。「海外遠征や日本代表合宿でいろんなコーチに教わったが、自分は競技を始めた頃から教わる茶木康寛先生(別府翔青高校)が合っている。国体でも一緒に頂点を目指したい」。これまで二人三脚で演技を突き詰めた恩師と、国体では高飛び込みと飛び板飛び込みの2種目で二冠を狙う。

 

チーム大分の一員としての思いは強い

 

(柚野真也)